29. スワンソン式ピン型ミキサーを使用した製パン性の簡易評価法の開発

タイトル 29. スワンソン式ピン型ミキサーを使用した製パン性の簡易評価法の開発
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 桑原達雄
高田兼則
入来規雄
発行年度 1998
要約  少量試料しか得られない初中期世代コムギ系統の製パン性評価に使用できる回転数可変型に改造したピン型ミキサーによる簡易評価法であるコムギ粉35gの生地形成時のピークタイムとブレイクダウンは、パン比容積と高い相関がある。
背景・ねらい
 製パン試験はその行程が複雑なために再現性のある結果を得るには熟練を要する。また多量のコムギ粉を必要とするために育成系統の製パン性の評価はこれまで生産力検定予備試験前後の後期世代になって行われてきた。育種効率向上のためには、初中期世代の系統について製パン試験を行わなくても少量のコムギ粉で製パン性を評価する必要があった。従来こうした評価にはミキソグラフが使用されてきたが、Canada
Extra Strong Classのような非常に強い物性をもつコムギの評価は十分ではなかった。そこでスワンソン式ピン型ミキサー(Swanson-working
pin type mixer)を利用してコムギ粉35gのミキシング測定値からパン比容積の推定を行う方法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. ミキシング耐性が非常に強いコムギ粉でも生地形成できるように回転数可変型モーターに改造したスワンソン式ピン型ミキサーによる簡易評価法である。
  2. 製パン性に関連するピークタイムおよびブレイクダウンはミキシング時のピン型ミキサーの電流値から算出する。(図1)
  3. 製パン性に関連するピークタイムは電流値が最大となるまでの時間を示し、ブレイクダウンはピークタイム時の電流値をピークタイム2分後の電流値との差を示す。
     
  4. ハルユタカ/KatepwaのF7系統を用いたノータイム法によるパン比容積はピークタイムおよびブレイクダウンとの相関が高く、ピークタイムが長くブレイクダウンの小さな系統がよく膨らむ(図2、表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 製パン試験での評価が困難な初中期世代の選抜系統について、その製パン性の推定が可能となる。
  2. 製パン試験はノータイム法で行った結果である。
  3. ミキサーのモーター回転数は標準の71rpm/min(実回転数1420rpm/min,減速比1:20)から150rpm(実回転数750rpm/min,減速比1:5)に高速化したミキサーを用いる。
図表1 224522-1.gif
図表2 224522-2.gif
図表3 224522-3.gif
カテゴリ 育種 評価法

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