エダマメ甘味成分の品種による相違

タイトル エダマメ甘味成分の品種による相違
担当機関 (独)農業技術研究機構 作物研究所
研究期間 1990~2001
研究担当者 金子勝芳
原田久也
斉藤道彦
増田亮一
長谷川美典
発行年度 2001
要約 大豆種子のスクロース濃度は成熟に伴い大きく変動し、早生品種では初夏に最大となり、エダマメ適期を迎える。その時期に最も濃度が高いのはダダチャマメ系統である。一方、秋のエダマメとして人気のある丹波黒を含む晩生種はスクロースは少ないが、耐熱性β-アミラーゼによってデンプンから生じるマルトースが甘味を補強する。
背景・ねらい エダマメのおいしさは甘味成分の濃度によって大きく影響される。登熟中の大豆種子にはスクロースなどの糖類や遊離アラニンが含まれる。これらの成分は、収穫後の種子におけるタンパク質合成のエネルギー源や基質として使われ、減少する。そのため、収穫後は速やかに甘味が低下する。エダマメ収穫時に甘味成分の濃度が高い大豆は収穫後にも甘味成分の残存量が多く、エダマメとして適している。そこで、大豆遺伝資源の中からエダマメ時期に甘味成分が多い品種を見出し、おいしいエダマメを育成する素材とする。
成果の内容・特徴
  1.  大豆在来種など46品種の登熟中の種子を経時的に採種して分析した結果、種子に含まれる糖類の組成や濃度の変化が明らかとなった。可溶性糖類やデンプンの集積には特徴的なパターンが見られ、大豆の分類が可能である(表1)。種子の肥大時期にデンプンがスクロースを上回る大豆が多い。一方、スクロースがデンプンよりも多くなる大豆には夏場のエダマメ品種が含まれていた。特に茶かおりや紫ダダチャマメはスクロースを4.3g/100g新鮮重(FW)も含んでおり、茹でたエダマメはかなり甘い(図1A)。
  2.  デンプンが多い大豆は晩生の秋大豆であった(図1B)。10月採りのエダマメである丹波黒や小糸在来などはデンプンが4.0g/100gFWを越えるが、スクロースは2.5g/100gFW以下と少なくおいしくないはずである。しかし、茹でるとデンプンが分解しマルトースが1.0g/100g FW以上生成され、甘味を補っていた。
  3.  種子を茹でた時に生成されるマルトースは、晩生のみならずほとんどの登熟大豆種子で認められる。大豆種子を茹でるとマルトースが生成するのは、大豆に含まれるβ-アミラーゼが耐熱性であり、75℃下3分間でも働くためである。
  4.  夏場のエダマメを含む早生大豆の一部には、デンプン含量に比べてマルトース生成量が少ない、あるいはほとんどない場合が見られる(図2)。エダマメの甘味成分は夏場の品種ではスクロースであり、秋のエダマメではスクロース+マルトースである。

成果の活用面・留意点
  1.  茹でた時に生成されるマルトースはスクロースと異なり鮮度保持条件によらないため、甘味の補助成分として有効である。
  2.  高スクロース型茶豆とデンプン含量の多い秋大豆とを交配することでさらにおいしいエダマメを消費者に供給できると期待される。

図表1 224553-1.gif
図表2 224553-2.gif
カテゴリ 遺伝資源 えだまめ 大豆 品種

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