タイトル | 茶大豆種皮プロアントシアニジン含有画分のラット血糖値上昇抑制作用 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター |
研究期間 | 2003~2005 |
研究担当者 |
永井沙樹 沖智之 小林美緒 須田郁夫 菅原晃美 西場洋一 増田真美 竹市美和子 |
発行年度 | 2004 |
要約 | 茶大豆種皮から調製した単量体~7量体のプロアントシアニジンを含む画分は、抗酸 化活性、α-グルコシダーゼ阻害活性、α-アミラーゼ阻害活性を示す。またその画分 をラットに投与すると糖負荷による血糖値・血中インスリン濃度の上昇を抑制でき る。 |
キーワード | 有色大豆、プロアントシアニジン、血糖値上昇抑制、血中インスリン抑制 |
背景・ねらい | 黒大豆・茶大豆など有色種皮大豆は、古来から薬効があるとして珍重され、近年では健康食品とし て消費者・実需者の人気を集めている。しかし、効能を示す成分は十分に明らかにされていない。そ こで、茶大豆種皮からプロアントシアニジン含有画分を調製し、成分特性・機能特性を明らかにする とともに、ラットに経口投与した場合の血糖値上昇抑制作用を確認する。 1.茶大豆(秋田在来)種皮の 70%アセトン/0.5%酢酸抽出液からの Sephadex LH-20 カラムメタノー ル溶出画分(以下、メタノール溶出画分と略す)および 70%アセトン溶出画分にはプロアントシ アニジンが含まれている(図1)。これら溶出画分の各々のフラクションは、DPPH ラジカル消去 活性(抗酸化活性の強弱を示す指標)およびα-グルコシダーゼ阻害活性(マルトース→グルコー スの阻害程度を示す指標。糖吸収阻害と関連する)を示すが、それらの活性はプロアントシアニ ジン濃度に比例して高まる(図1)。 2.メタノール溶出画分と 70%アセトン溶出画分に回収されるプロアントシアニジン量はモル比で 20 :3 と、メタノール溶出画分に多い(図1)。 3.そのメタノール溶出画分には低重合度プロアントシアニジン(単量体(カテキン)~7量体)が 含まれている(図2)。またこの画分はα-グルコシダーゼ阻害活性に加え、α-アミラーゼ阻害活 性(デンプンの加水分解の阻害程度を示す指標)を示す(表1)。 4.メタノール溶出画分をラットに経口投与すると、マルトース負荷による血糖値および血中インス リン濃度の急激な上昇を抑制することができる(図3左)。可溶性デンプン負荷の場合には、血 糖値の上昇抑制作用は弱いが、血中インスリン濃度の急激な上昇は抑制される(図3)。 |
カテゴリ | 大豆 茶 |