タイトル | 越夏性等に優れる放牧・採草兼用向け多収ペレニアルライグラス「ヤツカゼ」 |
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担当機関 | 山梨県酪農試験場 |
研究期間 | 1997~1997 |
研究担当者 |
横山紅子 岸田諭俊 菊島孝 駒井文彦 山田敏彦 小泉伊津夫 杉田紳一 福沢昭文 保倉勝己 |
発行年度 | 1997 |
要約 | ペレニアルライグラス「ヤツカゼ」(旧系統名「八ヶ岳T-19号」)は越夏性に優れ、収量性はヤツボクより高い。冠さび病・葉腐病抵抗性、耐雪性にも優れ、採種性は高い。本州以南の高冷地、準高冷地の主として放牧・採草兼用草地に適する。 |
背景・ねらい | ペレニアルライグラスは家畜の嗜好性が高く、良質で再生力に優れた寒地型イネ科牧草であり、放牧専用あるいは採草・放牧兼用として重要な牧草である。しかし、越冬性、越夏性等の環境ストレスや各種病害抵抗性が不充分なために、わが国ではその適応地域が限られており、より安定多収な品種の育成が求められている。そこで、安定多収越夏性、病害抵抗性等を改良した系統を育成した。 |
成果の内容・特徴 |
2.乾物収量は混播試験の東北農試を除いてすべての場所で「ヤツボク」を上回り、場所平均で109の多収性を示す。季節別にみると、特に夏期の収量性に優れ、「ヤツボク」比113を示す(表2)。 3.越夏性は「ヤツボク」よりやや優れ、「強」である(表1)。 4.耐雪性はヤツボクと同程度の「極強」である(表1)。 5.冠さび病抵抗性はヤツボクと同程度の「強」、雪腐病抵抗性は「ヤツボク」よりやや弱いが「強」、葉腐病抵抗性は「ヤツボク」よりやや優れ、「強」である(表1)。 6.早春の草勢は「ヤツボク」と同程度の「良」であり、越冬前草勢、再生程度は「ヤツ ボク」よりやや優れ、「良」である(表1)。 7.採種性は「ヤツボク」よりやや優れ、「良」である(表1)。 8.種子の蛍光反応率は「無ないし極微」である(表1)。 |
成果の活用面・留意点 |
2.北海道地域における適地判定についてはさらに1年間試験を継続してその結果 から判断する。 3.播種翌年の春は旺盛な生育を示すので、刈遅れに注意する。また、温暖地での夏期の施肥は控える。 |
図表1 | |
図表2 | |
カテゴリ | 寒地 施肥 多収性 抵抗性 播種 病害抵抗性 品種 |