とうもろこしF₁親自殖系統の耐倒伏性評価のための簡易検定法

• 担当機関: 九州農業試験場
• 研究期間: 1989～1998
• 研究担当者: 濃沼圭一; 池谷文夫; 伊東栄作
• 発行年度: 1997
• 要約: 引倒し力を用いた簡易検定法によりF₁系統の耐倒伏性を検定し、その一定親平均値で親自殖系統の耐倒伏性についての遺伝的能力を評価することができる。評価には8～9F₁組合せが必要である。
• 背景・ねらい: とうもろこしの耐倒伏性育種を効率的に進めるためには、その的確な検定法が不可欠である。そこで、F₁系統を対象に、引倒し力を用いた耐倒伏性の簡易検定法を開発したが、本検定法のF₁親自殖系統への適用性については明確でなかった。ここでは、本検定法を耐倒伏性について選抜されたエリート自殖系統の評価に適用するための方法を確立しようとした。

成果の内容・特徴

1. 自殖系統では、引倒し力による耐倒伏性評価値(HPR値:平成5年度成果情報)は倒伏個体率との相関が低く、本法により耐倒伏性を直接評価することはできない(表1)。
2. F₁系統のHPR値を調査し、その一定親F₁平均値によってF₁親としての自殖系統の耐倒伏性を評価することができる(表2)。
3. 検定に必要なF₁組合せの数は、各親自殖系統について、単年度の場合には9組合せ、2か年の場合には各年次4組合せ、延べ8組合せ程度である(表2)、(図2)。

成果の活用面・留意点

1. F₁親自殖系統の転び型倒伏抵抗性についての遺伝的能力の評価と選抜に利用できる。

• カテゴリ: 育種 簡易検定法 抵抗性 とうもろこし