タイトル |
西南暖地における部分耕播種、表面播種撹拌によるス−ダングラスの3作型生産技術 |
担当機関 |
九州農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
舘野宏司
佐藤健次
佐藤節郎
小林良次
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発行年度 |
1998 |
要約 |
西南暖地において、エンバク、イタリアンライグラス及びトウモロコシを収穫し、部分耕播種あるいは表面播種撹拌、土中注入によるスラリーの追肥とロールベール収穫調製を取り入れるス-ダングラスの3作型省力生産技術を確立した。
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背景・ねらい |
粗飼料生産をより省力、効率化するためには、作業の平準化と共に機械施設や耕地の効率的な利用を可能にする多様な作付体系を作出する必要がある。西南暖地の代表的な飼料作物であるエンバク、イタリアンライグラス及びトウモロコシの収穫直後にス-ダングラスを部分耕播種(一作業行程で耕耘と施肥・播種を完結)あるいは表面播種撹拌し、スラリ-の土中注入とロールベール収穫を取り入れた省力かつ多様な作型を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 3作型とも前作の収穫直後に、10a当たり6kgのス-ダングラスを部分耕播種(耕耘幅30cm)あるいは表面播種撹拌する。播種時の基肥(三要素成分各3kg/10a)と生育初期の追肥(三要素成分各5kg/10a)を化成肥料で施し、スラリー(約3t/10a、Nで約5kg/10a)をインジェクターにより施用深さ21cm、間隔75cmで注入する。
- 前年秋播種のエンバクを4月上旬に収穫後、ス-ダングラスを播種する。1番草を7月中旬、2番草を8月下旬、3番草を10月中旬に収穫する。この作付け体系では年間約2.8t/10aの生産が可能である(表1)。
- 前年秋播種のイタリアンライグラスを4月上旬(1番草)と5月上旬(2番草)に収穫し、その直後にス-ダングラスを播種。1番草を7月中旬、2番草を9月上旬に収穫する。この作付け体系では年間約2.5t/10aの生産が可能である(表1)。
- 4月上旬に播種したトウモロコシを8月上旬に収穫、その直後にス-ダングラスを播種して10月中旬に収穫する。この作付け体系では年間約2.0t/10aの生産が可能である(表1)。トウモロコシの前作にエンバクを栽培すると、年間約3t/10aの生産が可能である。
- 部分耕播種は表面播種撹拌よりやや収量が低い(表1)ものの、両簡易播種法は省力生産技術として有効である。西南暖地でのス-ダングラスを利用する3作型の作業体系では、表2のように播種、収穫、スラリー注入を行う。
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成果の活用面・留意点 |
- ス-ダングラスのロールベール利用の3作型は、西南暖地の粗飼料生産体系の中で活用できる。
- 3作型での利用品種は早生系を用い、播種時には特に雑草対策に留意する。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
肥料
病害虫
イタリアンライグラス
雑草
飼料作物
施肥
とうもろこし
播種
品種
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