| タイトル |
家畜ふん混合による窒素肥効調節ペレットの作成 |
| 担当機関 |
草地試験場 |
| 研究期間 |
1998~1998 |
| 研究担当者 |
原田久富美
須永義人
畠中哲哉
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| 発行年度 |
1998 |
| 要約 |
異畜種の乾燥ふんを混合し、エキストルーダーにより成型加工することで、作物の窒素要求特性にあった肥効調節ペレットの作成が可能である。肥効調節ペレットの利用は、硝酸態窒素濃度からみた作物の品質向上と硝酸態窒素流出量の軽減に有効である。
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| 背景・ねらい |
年間 9千万tも産出されている家畜ふん尿の耕種農家での有効利用と環境への負荷軽減を図るために、取り扱いに優れ、作物の養分要求特性にあう有機資材の開発が望まれている。そこで、畜種の異なる乾燥ふん混合による肥効調節技術と成型加工を組み合わせて作物の窒素要求特性にあった肥効調節ペレットを開発し、作物栽培に利用した場合のメリットを明らかにする。
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| 成果の内容・特徴 |
- 牛・豚・鶏の乾燥ふん(水分率は9~16%)を適当な割合で混合することにより、窒素の無機化速度の調節が可能である(図1)。混合ふんの窒素無機化量は、用いた単独ふんの無機化量に混合比を乗じた値の和と一致する。
- 乾燥ふん混合による窒素無機化調節法とエキストルーダーによる成型加工(成型時の水分は30~35%)を組み合わせることで、肥効調節ペレットの作成が可能である。乾燥牛ふんに豚ぷんや鶏ふんを混合することで成型しやすくなる。単独ふんおよび混合ふんによる両方の肥効調節ペレットを作成したが、その形状は直径約0.9cm、長さ約3cmの棒状をしており、30℃以下で一晩乾燥後の水分は5.3%と低く、取り扱いやすくなる(写真1)。
- 作物の窒素必要量の60~100%が供給されるように肥効調節ペレットを施用し、温室内で作物を栽培(面積0.15m2、深さ18cmのコンテナ使用)すると、対照区の化学肥料区とほぼ同等ないしそれ以上の生育・収量を確保できる。しかも、肥効調節ペレットの利用は硝酸態窒素の流出量の削減に、コマツナの硝酸態窒素濃度からみた品質向上に有効である(表1、表2)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 耕種農家での家畜ふん尿の有効利用と環境への負荷軽減のための技術開発に活用でき、実用化が期待される。
- 肥効調節ペレットの作成に使用した機械はシードペレット作成用(草地飼料作最新情報、第6号、87~88、1991)であり、このペレットの作成には天日乾燥ふんを用いていること、栽培試験は温室内で得られた結果であることに留意する。また、本ペレットを連用して栽培する場合には別途検討が必要である。さらに、ペレット作成コストの算出も必要である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| 図表4 |
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| カテゴリ |
肥料
加工
乾燥
コスト
こまつな
鶏
豚
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