硝化抑制剤添加スラリーの土中施用によるメタン及び亜酸化窒素放出量の低減

タイトル 硝化抑制剤添加スラリーの土中施用によるメタン及び亜酸化窒素放出量の低減
担当機関 草地試験場
研究期間 1990~1994
研究担当者 環境庁(地球環境) 研究期間渋谷 岳
山本克巳(現 九州農試)環境庁(地球環境) 研究期間渋谷 岳
川内郁緒
野中邦彦
発行年度 1998
要約 スラリー(液状きゅう肥)の施用方法を表面施用から土壌中への施用に変更することで、メタン放出量は低下するが、亜酸化窒素放出量は増加する。しかし、施用直前のスラリーに硝化抑制剤を添加することにより、亜酸化窒素放出量を低減できる。
背景・ねらい 草地及び飼料畑では、家畜ふん尿の一部はスラリーの形で還元されている。スラリーは施用時の悪臭発生の他、温室効果ガスであるメタン(CH4)及び亜酸化窒素(N2O)の放出源であることが大きな問題となっている。そこで、スラリーの施用に伴うCH4及びN2O放出に及ぼす効果を明らかにし、放出されるCH4及びN2Oを低減させるスラリー施用方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
    ガス採取は、クローズドチャンバー法を用いた。供試圃場の土壌は表層に火山灰を含む褐色低地土。CH4及びN2O放出量の測定は、対照のスラリー無施用の放出量と同等になるまで継続して行った。
  1. CH4放出量は、スラリーを土中施用、土壌混和施用、溝施用することにより表面施用よりも低下する(図1,表1)。
  2. N2O放出量は、CH4放出量の場合とは逆に、スラリーを土中施用、土壌混和施用、溝施用することにより、表面施用よりも増加する(表1)。特にスラリーを土中深く注入する土中施用では N2O放出量の増加が著しい。
  3. スラリー施用直前に硝化抑制剤(チオ尿素、添加量:全窒素の0.5%)を添加・撹拌して施用すると、表面施用及び土中施用のいずれにおいても無添加に比べて、N2O放出量は低下する(表2)。
  4. 以上から、スラリー土中施用によりCH4放出量を低減できる。また施用直前のスラリーに硝化抑制剤を添加することにより、N2O放出量を低減できる。
成果の活用面・留意点
  1. スラリー施用に伴うCH4及びN2Oの放出削減技術に寄与する。
  2. チオ尿素以外の硝化抑制剤についても検討が必要である。
図表1 224920-1.JPG
図表2 224920-2.JPG
図表3 224920-3.JPG
カテゴリ 肥料

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