懸垂型ロールベール解体機

タイトル 懸垂型ロールベール解体機
担当機関 草地試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 喜田環樹
佐々木泰弘(現農業研究センター)
市戸万丈
天羽弘一
発行年度 1998
要約 ロールベールを両底面で把持し、その円柱軸を水平に保持・懸垂してロールベールを回転させながら、ウインドローを再現させる形でロールベール解体を行う装置。簡易な構造で自作が可能であり、トラクタを用いることなく、ロールベールを解体できる。
背景・ねらい ロールベールサイレージ調製は牧草生産の過半を占めるにいたり、自給飼料の主体となっている。しかしその解体・再調製・給飼については、利用場面の多様さのために決定版がなく、また市販のロールベールシュレッダは利用条件が限らており、かつ高価である。そこで、酪農家が自作できる程度の構造で安価なロールベール解体方式を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 装置の概要・操作:本体は、ベール底面に突き刺さって回転力を伝える爪を持った把持板と、それを取り付けた把持時に開閉するアーム及び電動機で構成される(図1)。本体を懸垂するのは天井クレーンもしくは専用の吊り下げ作業枠による(図2)。吊り下げ作業枠を移動させ横置きされたロールを把持し、解体場所に移動してフィルム・トワインを除去し、解体回転方向を確認(逆方向回転では解体できない)して電動機により回転解体する。多くの場合、芯部分の解体には手補助を必要とする。
  2. 効果と特徴:本方式は①材料の絡み付き・落下損失が少ない、②フィルム等の除去作業や回転方向の選択を行い易い、等の作業上の取扱い性が優れ、③動力源としてのトラクタを必要とせず省動力である、④ウィンドローを再現させる形で解体を行うため、材料供給質量が安定している、等の特徴がある。本体は減速機付き電動機(200W、1/100)・チェン・スプロケット、作業枠はキャスタ・チェンブロック等の購入材料費合計20万円程度<(表1)であり、当方が提示するベールサイズに応じた図面に従えば、切断機と溶接機程度で作成可能である。
  3. 処理能力と性能向上:再梱包用材料供給装置として、径・幅1.2mベールを供試した試験(図3下、ベール解体後、材料をコンベアでタイトベーラに供給する)での処理能力は、材料水分・性状により大きく変動し、現物流量で400~1800㎏/hであった。使用目的とベールサイズに対応して能率を高めるのも容易な構造である。既に数件の取り組みが開始されている。
成果の活用面・留意点
  1. 再梱包用材料供給の解体に限らず、細断用カッタへの供給、直接給飼にも利用可能である。天井クレーンのある場所なら更に取り扱いやすい。
  2. ベール軸芯を把持する必要があり、横置き貯蔵で変形したベールでは作業が困難である。芯部分の解体や、取扱いに係わる部分は利用目的に応じた工夫・改善の余地が残されている。
図表1 224923-1.JPG
図表2 224923-2.JPG
図表3 224923-3.jpg
図表4 224923-4.JPG
カテゴリ 乳牛

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