タイトル |
密度の高い芝地を形成するシバ新品種「方便山4」 |
担当機関 |
草地試験場 |
研究期間 |
1993~2000 |
研究担当者 |
奥村健治
蝦名真澄
荒谷 博
高井智之
春日重光
小林 真
中川 仁
鶴見義朗
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発行年度 |
1999 |
要約 |
山口県阿武郡旭村由来のエコタイプから栄養系選抜によって育成した「方便山4」は、芝密度が高く雑草が侵入しにくいことが特長である。この特性は芝地の早期造成に有効である。
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背景・ねらい |
シバは放牧用のほか、古くから公園・庭園等の芝生として栽培されてきたが、高い芝密度を達成・維持するためには時間・管理の面で制約があり、雑草が侵入しやすいことが問題となっていた。そこで、収集した遺伝資源の特性を調査したところ、高密度芝地形成に優れた特性を有する系統が見出されたので、特性を明らかにして種苗法に基づく品種登録を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 1991年から1992年にかけて全国の公立試験研究機関等の協力を得て収集したシバ遺伝資源について1991年から1992年にかけて全国の公立試験研究機関等の協力を得て収集したシバ遺伝資源について1991年から1992年にかけて全国の公立試験研究機関等の協力を得て収集したシバ遺伝資源について形態・生理・生態的特性の評価を行った。
- この中で山口県阿武郡旭村で収集したエコタイプ「方便山4」は標準品種「エメラルド」・「メイヤー」、対照品種「みやこ」・「朝駆」に比べて優秀性及び区別性が認められた。
- 「方便山4」の最大の特徴は芝密度が高く、雑草被度が低い点で、定植翌年夏のシバ被度/雑草被度は95%/5%であった(図1)。これは標準・対照品種と比較してシバ被度は1.1~2.5倍、雑草被度は0.08~0.6倍であった。
- 「方便山4」を「朝駆」と比較すると、匍匐茎の伸長では劣るが分岐程度が多い(表1)。
- その他、初期生育・草勢・採種関連形質に優れることなどが認められた(表2)。採種関連形質に優れることは、種子繁殖性シバ品種育成の母材として有用である。
- 畦畔等の草生栽培のほか、公園・スポーツターフなどの緑化用への適応性が期待できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 畦畔等の草生栽培のほか、公園・スポーツターフなどの緑化用への適応性が期待できる。
- 栽培上の留意点は、低温期・乾燥期を避けて植え付けるなど、既存の品種と同等である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
遺伝資源
乾燥
栽培技術
雑草
新品種
繁殖性改善
品種
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