土中施用したスラリー中アンモニア態窒素からの推定脱窒量

タイトル 土中施用したスラリー中アンモニア態窒素からの推定脱窒量
担当機関 草地試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 渋谷岳
松波寿弥
川内郁緒
野中邦彦
発行年度 2000
要約 黒ボク土を充てんしたライシメーターにおいてスラリーを土中施用すると、スラリーのアンモニア態窒素は1年半で25%が脱窒する。
背景・ねらい
家畜ふん尿を連用した農耕地では下層土において脱窒が起こるが実態は不明である。そこで、スラリー施用2年目の土壌において重窒素を添加したスラリーを施用し、窒素の動態を1年半調査して脱窒量を推定した。
 
成果の内容・特徴 ライシメーター(3m×3m×3m、土層の厚さ2.3m、黒ボク土充てん)を用い、スラリーに重窒素標識硫安(15.1A%,Nで5.9g/㎡)を添加して土中施用し(施用量は6kg/㎡、全窒素として㎡当たり27.6g)、ソルガムとライコムギを栽培した。
  1. 重窒素の作物への分配率は施用直後に栽培したソルガムに34%、2作目のライコムギに4%、合計38%である。
  2. スラリー施用土壌と無施用土壌における重窒素存在比(δ値:図1)の差から求めた施用後1年半の土壌への重窒素分配率から、土壌残留窒素は33%である。同様に浸透水の硝酸態窒素のδ値の差(図2)から、溶脱窒素は4%である。
  3. 供試土壌は室内実験において高水分・有機物添加条件で脱窒が認められる(図3)。このことから、ライシメーターにおいても脱窒が起きていると推定できる。一方、スラリーの施用で地表からの亜酸化窒素の発生は増加するが、積算量は投入窒素量の1%以下である。
  4. 以上のことから,差し引き法によるスラリー施用後1年半におけるアンモニア態窒の脱窒量は25%である(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 窒素収支算出のための基礎資料となる。
  2. 土壌水分、窒素施用量、有機物の存在等の土壌条件の違いにより脱窒量は異なることに留意する。

図表1 225045-1.png
カテゴリ 肥料 ソルガム

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