タイトル |
乾燥・還元過程における粘土の微細構造変化に及ぼす遊離酸化鉄の影響 |
担当機関 |
北陸農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
粘土中に酸化鉄を添加して土壌のモデル物質を作ると,乾燥によって安定した構造ができるが,この構造は遊離酸化鉄の還元によって不安定化する。このような粘土-鉄複合体の挙動によって汎用水田の水中沈定容積の変化を再現できる。
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背景・ねらい |
畑地化・水田化に伴う土壌中の遊離酸化鉄の形態変化は,土壌の微細構造に関与している可能性がある。そこで汎用水田の微細形態の変化機構を明らかにすることを目的とし,重粘土に一般的に含まれる粘土鉱物(スメクタイト)に鉄を添加し,乾燥および還元処理による土壌の微細構造変化に及ぼす遊離酸化鉄の影響をモデル的に検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 【乾燥(畑地化)過程】 スメクタイト中に塩化鉄を加え中和することによりスメクタイト-酸化鉄複合体を生成した。スメクタイトおよびスメクタイト―酸化鉄複合体の両者とも-1.5MPa以下の乾燥によって微細構造が変化し,水中沈定容積(SV)が減少するが,乾燥によるSVの減少程度は酸化鉄を添加した区の方が大きい(図1)。
- 【還元(水田化)過程】 乾燥した上述の試料をアスコルビン酸で還元すると,酸化鉄を含んだ試料でのみ,水田土壌と同様にSVが増加する(図2)。
- 【乾燥過程での微細構造の変化】 走査型電子顕微鏡により風乾試料の微細構造を観察すると,酸化鉄を添加した試料は酸化鉄の影響により,基本粒子単位が小さい構造を持つ(図3)。
- 以上,遊離酸化鉄は,乾燥(畑地化)過程において粘土の微細構造に影響を与え水中沈定容積の減少に作用し,還元(水田化)過程はこの構造の不安定化に作用する。この結果から,畑地化の指標として用いられる水中沈定容積は,乾燥および遊離酸化鉄の酸化還元反応の影響を受けていることを示唆する。
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成果の活用面・留意点 |
汎用化水田の土壌構造の変化を解明し,制御するための基礎的な知見となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
乾燥
水田
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