| タイトル |
日本産珪藻および藍藻を用いたOECD藻類生長阻害試験法の改良 |
| 担当機関 |
(独)農業環境技術研究所 |
| 研究期間 |
2003~2005 |
| 研究担当者 |
遠藤正造
石原 悟
堀尾 剛
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| 発行年度 |
2003 |
| 要約 |
OECD等の推奨試験法を基本に,日本産珪藻および藍藻の試験種としての適合性を評価した。14種類の水田除草剤に対する生長阻害濃度は,藻類種により大きく異なっており,緑藻だけでは正確な評価が困難である。珪藻や藍藻を加えた複数種による評価が重要である。
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| 背景・ねらい |
農薬等化学物質が水域生態系の一次生産者である藻類に与える影響を評価するためには,単細胞の緑藻Pseudokirchneriella subcapitataを用いた暴露試験が現在OECD等の推奨試験法として用いられている。しかし,わが国の河川では珪藻および藍藻を中心とした付着性藻類が一次生産の主役であること,緑藻P. subcapitataは我が国にほとんど分布しないことから,緑藻P. subcapitataを用いた試験結果のみで水域生態系の一次生産者に及ぼす影響を評価することは危険である。そこで,OECD等の推奨試験法を基本に,日本産珪藻および藍藻の適合性を評価し,わが国に適した精度の高い評価手法を開発する。
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| 成果の内容・特徴 |
- 試験生物種として小型で増殖力が高い珪藻Achnanthes minutissima NIES-71株および藍藻Merismopedia tenuissima NIES-230株を用いる。比較対照としてOECD等における藻類生長阻害試験の推奨種である2種の緑藻P. subcapitata ATCC22662株およびChlorella vulgaris NIES-227株の計4種を使用する(図1)。
- OECD等が推奨する試験法,すなわち化学物質曝露後72時間後の生存細胞数に基づく半数生長阻害濃度(72h-EC50:対照区に比べて細胞数が半数になる暴露濃度)を指標にして,14種の水田除草剤を比較すると,酸アミド系除草剤,カーバメート系除草剤では緑藻P. subcapitataが4種の藻類の中で感受性が最も高い。一方,スルホニルウレア系除草剤やトリアジン系除草剤に対しては,藍藻 M. tenuissimaが,緑藻P. subcapitata以上の著しく高い感受性を示す。また,珪藻A.minutissimaは緑藻C. vulgarisと同程度の感受性で,4種の藻類の中では感受性は一般に低い(図1)。
- 酸アミド系除草剤,カーバメート系除草剤およびスルホニルウレア系除草剤では4種藻類間で感受性差が大きい。特にベンスルフロンメチルに対する感受性差は大きく,最も感受性の高い種(M. tenuissima)と低い種(A. minutissima)の間で72h-EC50に1万倍以上も差がある(図1)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 用いた珪藻A. minutissimaと藍藻M. tenuissimaはいずれも日本産であり,保存株化されており入手が容易である。また長期継代培養も可能であり,生長阻害試験法は単細胞緑藻の場合と同様に実施できる。
- 本試験法により新規開発除草剤の藻類に対する影響(感受性差の大小)を予測できる。
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| 図表1 |
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| カテゴリ |
病害虫
除草剤
水田
農薬
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