水田からのメタン発生量を推定する数理モデル・DNDC Riceの開発

タイトル 水田からのメタン発生量を推定する数理モデル・DNDC Riceの開発
研究期間
研究担当者 大気環境研究領域 長谷川利拡
八木一行
物質循環研究領域 麓多門
発行年度 2007
要約 水田の稲わら処理方法や肥料の種類によるメタン発生量の変化をコンピュータで推定できる数理モデル(DNDC Rice)を開発しました。このモデルを活用することにより、水田からのメタン発生量とその削減ポテンシャルを広域評価することが可能になります。
背景・ねらい
メタンは二酸化炭素の20倍以上の温室効果を持つガスですが、全世界のメタン発生量の約1割が水田に由来すると考えられています。水田から発生するメタンを減らすためには「どうすれば、メタンがどれだけ減るのか」を精度良く推定することが重要です。そこで、DNDCという数理モデルを改良して新たなモデル(DNDC Rice)を開発し、稲わらの処理方法や肥料の種類によるメタン発生量の変化について検証しました。

成果の内容・特徴 水田の土壌に棲むメタン生成菌によってメタンが作られますが、その発生量は土壌の性質やイネの栽培方法などによって変わります。水田に稲わらをすき込むと分解されてメタン生成菌のエネルギー源を供給するため、メタンの発生量が増加します。一方、土壌中の鉄酸化物や肥料の硫安に含まれる硫酸塩にはメタンの発生を抑制する作用があります。この研究ではDNDCという数理モデルを改良し、これらの作用を定量的に計算して、メタン発生量を推定できるモデル(DNDC Rice)を開発しました(図1)。
日本と中国の3地点(つくば市、北海道比布町、南京市)の水田で行われたほ場実験で得られた観測値を用いて、DNDC Riceがメタン発生量を正しく推定できるかどうか確かめました。ほ場実験では、稲わらすき込みの有無や時期、肥料の種類によって、イネ栽培期間のメタン発生量が2~17gm-2の範囲で変化することが観測されました。これらの観測値についてDNDC Riceでシミュレーションを行ったところ、従来のDNDCモデルでは不十分だった稲わらの処理方法や肥料の種類の影響の推定精度が改善され、メタン発生量の観測値に対する平均誤差は4gm-2以下でした(図2、3)。
図表1 225502-1.jpg
図表2 225502-2.jpg
図表3 225502-3.jpg
カテゴリ 肥料 水田

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