補体結合反応による牛悪性カタル熱の血清診断

タイトル 補体結合反応による牛悪性カタル熱の血清診断
担当機関 家畜衛生試験場
研究期間 1993~1996
研究担当者
発行年度 1994
要約  羊型牛悪性カタル熱発症牛は補体結合反応で牛ヘルペスウイルス3型と交差する抗体を保有していることが認められた。本血清反応により国内で飼育されている羊の抗体保有状況を調査した結果,検査した羊の60%が抗体価4以上の陽性反応を示し,妊娠羊の中で分娩後に抗体が上昇する例が高率に認められた。
背景・ねらい  牛の悪性カタル熱(MCF)は,牛を羊と接触させる状態で飼育している農家で散発的に発生している。本疾病の病原体はまだ分離されていないため,診断は病理組織学的所見に基づいて行われている。しかし,発症牛が間接蛍光抗体法で牛ヘルペスウイルス3型(BHV-3)と交差する抗体を保有していることにより,本疾病はそれと類似したウイルスである可能性が高い。本疾病の感染様式及び感染動物体内での病原体の動態を解明するために,抗体価を客観的に測定でき,多数の試料を容易に検査できる血清診断法の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1.  BHV-3を抗原に用いて補体結合試験を行うと,病理組織学的にMCF発症牛と診断された牛血清が陽性反応を示し,抗体価の測定が容易であった(写真)。また,各地で採取した238例の健康羊血清の約64%が補体結合抗体価4以上の陽性反応を示した(図1)。

  2.  妊娠羊の抗体価を経時的に調査した結果,抗体価は分娩期に一次低下するが後に上昇する例(図2)や,分娩時まで変動がなくその後上昇する例が,高率に観察された。
 これらの結果より,BHV-3を抗原とした補体結合反応が間接蛍光抗体法とともにMCFの血清学的診断法として使用できることが示された。また本病原体は羊に高率に感染しており,周産期の羊が本疾病の感染源となるという従来の考えが裏付けられた。
成果の活用面・留意点  間接蛍光抗体法に代わる羊型牛悪性カタル熱の血清学的診断法が開発され,本疾病の疫学調査が容易になるとともに,本病原体の抗体価の変動を客観的に定量することが可能となった。以上の成果は,本疾病の伝搬様式の解明や,牛への伝搬を防御する手法を検討する上で活用される。
図表1 225564-1.gif
図表2 225564-2.gif
図表3 225564-3.gif
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