| タイトル |
抗バベシア原虫活性を保有するフタトゲチマダニのディフェンシン |
| 担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 |
| 研究期間 |
2004~2008 |
| 研究担当者 |
辻 尚利
藤崎幸蔵(鹿児島大)
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| 発行年度 |
2007 |
| 要約 |
フタトゲチマダニの自然免疫関連分子ディフェンシン(ロンギシン)に殺原虫活性があることを明らかにした。ロンギシンはバベシア症の治療薬として有望である。
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| キーワード |
節足動物、病原体媒介者、マダニ、バベシア症
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| 背景・ねらい |
マダニが媒介する病原体はヒトや動物のウイルス、リケッチア、細菌、原虫、寄生虫など極めて多岐多種類にわたるが、その病原体媒介能を決定している分子基盤は不明である。本研究では、マダニの自然免疫の分子機構と細胞機能を担っている様々な分子群(tick bioactive molecule: TBM)を解明するとともに、これらのTBMがバベシア原虫媒介に果たす役割を明らかにすることによって原虫媒介の分子基盤を解明し、マダニとバベシア症に対する新規の対策技術の確立と創薬に有用な知見の発掘を図る。
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| 成果の内容・特徴 |
- バベシア原虫の媒介者である国内最優占種のフタトゲチマダニから複数のディフェンシン様遺伝子を単離し、その中から殺バベシア原虫活性を保持するロンギシンを同定した。
- ロンギシンはアミノ酸74残基で構成され、その内在性蛋白質の発現は中腸であった(図1)。
- 殺菌・殺真菌作用を保持するロンギシンは、バベシア原虫の赤血球内発育ステージであるメロゾイト虫体に対して濃度依存的に殺原虫作用が発揮され、原虫膜に特異的に接着することが確認された(図2)。
- 人獣共通感染原虫のバベシア原虫を感染させたマウスにおいて原虫発育抑制によるロンギシンの治療効果が確認された(図3)。
- ロンギシンをノックダウンさせたフタトゲチマダニによって、内在性ロンギシンはバベシア原虫の伝搬に重要な役割を果たしていることが明らかとなった(図4)。
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| 成果の活用面・留意点 |
- ロンギシンはバベシア症治療薬の候補分子である。
- 本研究の知見は、病原体媒介者にも病原体に対する伝搬制御分子が存在すること明らかにしたものでマダニ媒介感染症制圧にマダニ由来分子が利用できる可能性を示している。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
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