アフラトキシンの生合成に関与するO-methyltransferase

タイトル アフラトキシンの生合成に関与するO-methyltransferase
担当機関 家畜衛生試験場
研究期間 1994~1997
研究担当者
発行年度 1995
要約 アフラトキシン生合成に関与する酵素O-methyltransferase Iを精製し、その性質の検討をした。また、同酵素がDemethylsterigmatocystin からSterigmatocystin 及びDihydrodemethylsterigmatocystin から Dihydrosterigmatocystin へ進む両反応に関与することを明らかにした。
背景・ねらい アフラトキシンはAspergillus flavus 及びA. parasiticusに属する一部のカビが生産する二次代謝産物であり、自然界でもっとも強力な発ガン性を持つ物質として恐れられている。穀物のアフラトキシン汚染を防御するためには、カビによるアフラトキシン生合成機構を明らかにすることが重要である。そこで生合成経路の詳細について検討し、その結果、カビの生産する四種のアフラトキシンのうち、AFB1,AFG1はDemethylsterigmatocystin (DMST)から、 AFB2,AFG2はDihydrodemethylsterigmatocystin (DHDMST)からそれぞれ独立した経路で合成されること明らかにしてきた。本研究では、DMSTからSterigmatocystin (ST)へ進む反応を触媒するO-methyltransferase Iについて、精製を行い、この酵素の性質を検討することによって、同酵素がDHDMSTからDihydrosterigmatocystin (DHST)へ進む反応も触媒する事を明らかにした。
成果の内容・特徴
  1. アフラトキシンは生産できないが、アフラトキシン生合成に関与する種々の酵素は誘導できるA.parasiticus 変異株を大量培養した。この株から可溶性画分を調製し、5段階のカラムクロマトグラフィー(phenyl-Sepharose, DEAE-Sepharose, 2nd phenyl-Sepharose, Sephacryl S-300, Matrex Gel Green A) を行うことによって、目的の酵素を単一バンドにまで精製できた(図1)。
  2. 精製O-methyltransferase I 酵素は、SDS-polyacrylamide gel electrophoresis で42 kDaの単一蛋白であり、Sephacryl S-300 gel-filtration chromatographyでは約150 kDaの単一ピークを示した。酵素活性のpH 依存性実験ではpH6.5から pH9.0の広い範囲で高い活性を示した。また、調整用等電点電気泳動装置Rotofor Cellで測定した結果、酵素活性の等電点はpH 4.4であった。
  3. 精製酵素に基質としてDHDMSTを加えるとDHSTが生成された。さらに精製酵素に対するDMSTとDHDMSTの競合実験(図2)の結果、同一の酵素がDMST からST とDHDMST からDHSTに進む二種の反応を共通に触媒する事を明らかにした。
成果の活用面・留意点
    精製酵素の部分的アミノ酸配列を決定することにより、この酵素の遺伝子の単離や構造解析が可能となる。さらに、遺伝子プローブや酵素の抗体作成によって、アフラトキシン生合成機構の詳細な研究の端緒となる。
図表1 225601-1.jpg
図表2 225601-2.jpg
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