異種動物への伝達に伴うBSEプリオンの性状変化

タイトル 異種動物への伝達に伴うBSEプリオンの性状変化
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 横山 隆
岩丸祥史
今村守一
舛甚賢太郎
毛利資郎
発行年度 2008
要約  感受性マウスに伝達した定型BSEプリオンは感受性宿主域が変わり、抵抗性マウスへも伝達が可能となる。このとき、抵抗性マウスの脳内には、複数の蛋白質分解酵素抵抗性の異常プリオン蛋白質の断片が検出される。
キーワード BSE、プリオン、種の壁、抵抗性動物、異常プリオン蛋白質
背景・ねらい  プリオンの異種動物への伝達の効率は「種の壁」と呼ばれる現象が認められる。BSEプリオンはヒトも含めて、マウス、ヒツジ、サルなど広範な動物種への伝達性が認められているが、「種の壁」によりハムスターへは伝達しない。そこで、マウスおよびハムスターのキメラプリオン蛋白質を発現する遺伝子改変マウスを用いて、ハムスターのBSEプリオンに対する抵抗性のメカニズムについて検討する。
成果の内容・特徴
  1. マウスおよびハムスターのキメラプリオン蛋白質を発現する遺伝子改変マウスを用いた伝達試験により、プリオン蛋白質のアミノ酸配列131-188がマウス型のマウスはBSEプリオンに感受性を示し、同領域がハムスター型のマウスは抵抗性を示す。
  2. 野生型マウスで1代継代するとBSEプリオンは抵抗性マウスにも伝達性を示す。
  3. 感受性マウスの脳内には蛋白質分解酵素処理により均一な分子量の異常プリオン蛋白質の断片が認められるが、抵抗性マウスでは複数の断片が認められる。
成果の活用面・留意点
  1. 異種動物に伝達するとプリオンの感受性宿主域は変化することから、新たに出現したプリオン病のリスク評価には、個別に各動物種への伝達性を検証する必要がある。
  2. 抵抗性動物に認められた複数の異常プリオン蛋白質の断片はプリオンの馴化過程の産物と考えられ、新たなプリオン病の起源を探るための指標として活用できる。
図表1 225907-1.gif
カテゴリ 抵抗性

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