反復DNAの効率的増幅を目的としたレーザー微細操作による染色体標本の作製法

タイトル 反復DNAの効率的増幅を目的としたレーザー微細操作による染色体標本の作製法
担当機関 北海道農業試験場
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1994
要約 レーザー微細操作により得られたギムザ染色染色体からのDNAの増幅に固定液中での標本の保存は問題なく、また、染色による保存性の低下も脱色により回復する。本方法により1本の染色体を残した標本から反復DNAの増幅が再現よく行われた。
背景・ねらい 有用遺伝子を効率的に解析するため、マイクロクローニング手法による簡便な染色体特異的ライブラリーの作製法の開発が必要とされている。そこで、レーザー微細操作法を用いて標本作製法が染色体からのDNA増幅に与える影響を検討し、少数染色体からのDNAを増幅するための標本作製法の開発を試みた。
成果の内容・特徴
  1.  ウシ血液を培養後、染色体試料を薄膜上で標本作製した。ギムザ染色後、薄膜上においてレーザー微細操作により得られた少数染色体からDNAを増幅するための、標本の固定法・保存法の検討を行った(表1)。
  2.  メタノールと酢酸の混合比については影響がなく、1ヶ月の保存でもDNA増幅に影響がみられない。
  3.  ギムザ染色を行った標本については、数日の保存でDNAの増幅が悪くなったが、メタノールで脱染色をした後で保存すると保存性が回復する。
  4.  本法で作製した標本に対するレーザー微細操作は容易で、一核板から特定の染色体を選択して、他の染色体を除去するための時間は10から20分程度である(図1)。
  5.  本法で作製した標本からPCR法を用いて、薄膜上のY染色体1本からY染色体特異的反復DNAの増幅を行うことができる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1.  反復DNA配列の増幅については、ネガティブコントロールからの増幅もみられるが比較的再現性良く行え、多くの染色体に存在する類似のDNA配列の染色体間比較に用いることが可能である。
  2.  シングルコピーもしくは小コピー数のDNAの増幅については、プライマーの選択を始めとする増幅過程に関する検討が必要である。
図表1 225923-1.gif
図表2 225923-2.gif
図表3 225923-3.gif
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