| タイトル |
実験昆虫コクヌストモドキ Tribolium freemaniの強制蛹化による遺伝特性の解明 |
| 担当機関 |
畜産試験場 |
| 研究期間 |
1996~1996 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1996 |
| 要約 |
実験昆虫コクヌストモドキの1種である T.freemaniを国際的に用いられている T.castaneum と同様に育種実験に供されることを実証した。T.freemani生態的特徴を克服し,他種との交雑種の相違や遺伝特性などを解明した。
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| 背景・ねらい |
最近わが国で再発見されたT.freemaniは、世界中で用いられているT.castaneumやT.confusumとは顕著に異なる生態的特徴を有している。それは、通常の飼育下では幼虫から蛹へ変態しにくく、成熟幼虫のまま経過し散発的にしか蛹化しないことである。しかし、体が上記の2種に比べ2倍ほど大きく、飛翔能力がなく、活動も鈍いので真空ピンセットによるハンドリングが容易である特長を有している。これらの特長は、大量のデータを必要とする育種実験では特に有益である。そこで、成熟幼虫を個別に絶食させる強制蛹化法(マイクロタイタープレートの使用)によって、大量の斉一な蛹が容易に得られると同時にその後の発育性・繁殖性などにも支障を来さないことを実証する必要がある。また、遣伝特性を調査し、上記の2種を用いた場合と相達ないことを確認する必要もある。
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| 成果の内容・特徴 |
- 強制蛹化法による幼虫→蛹の個体数のロスは、適常10%以下であり、得られた蛹→成虫の個体数のロスはさらに低く数%以下であることが多い。成虫の繁殖性にも特に異常は認められない。
- 完全変態をするこの昆虫は、数量的分析から見ると幼虫→蛹に変態する方が、蛹→成虫に変態するよりも変化する程度が大きいと思われる。発育ステージ別の体重には大きな変異が見られ、幼虫期の制限給餌による小さな体でも変態は支障なく達成されることが多い。
- T.castaneumとT.freemaniの種間雑種における蛹重量に母性効果が認められたが、雑種強勢はみられなかった。雑種強勢効果は、種間と種内では異なると考えられる。また、種間雑種の雌雄とも不妊であったが、T.c♂xT.f♀雑種の方が、逆交配に比べやや生存力が弱く、性比の異常を示し、雌産仔が少なかった。
- 枝分かれ分散分析による遣伝パラメータの推定は、従来の報告値とほぼ同様であった。しかし、父成分による遺伝率に比べ、母成分と父母成分による遺伝率は過大推定値であり、母成分には発育初期形質に関し母性効果が含まれやすいことを強く反映していた(表1)(表2)(表3 )(表4 )。
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| 成果の活用面・留意点 |
- T.freemaniは、T.castaneumに比べて個体の繁殖性(幼虫数)に大きな変異があり、選抜実験の実施の際にはこの点に留意する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
育種
繁殖性改善
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