タイトル | 牛ふん尿堆肥化過程における発酵温度維持のための通気方法 | ||||||||||
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担当機関 | 草地試験場 | ||||||||||
研究期間 | |||||||||||
研究担当者 |
阿部佳之 伊藤信雄 加茂幹男 梅田直円 |
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発行年度 | 1999 | ||||||||||
要約 | 設定温度に対する通気のON/OFFによって1週間の温度維持が可能である。断熱された堆肥化反応槽であれば最高70℃まで制御できる。またタイマーによって通気をON/OFFしても温度維持の可能性が示唆される。 | ||||||||||
背景・ねらい | 牛ふん尿由来の病原性大腸菌や雑草種子の問題が注目されている。発酵熱による堆肥の温度上昇によってそれらを死滅できることが知られているが、温度を高温に保つためには通気量の調節、またはこまめな切り返し作業といった多くの労力が必要となる。そこで自動的に通気を調整し、温度を高温で維持する方法を考案する。 | ||||||||||
成果の内容・特徴 | 1. おがくず、戻し堆肥が混ざった牛ふん尿(水分73.8~75.3%、3.5kg(約10L)を供試)の堆肥化において通気方法を検討した。牛ふん尿が入った反応槽は市販の試験用オーブンの中に設置される。オーブン内の温度は堆肥温度に追従するため、この堆肥化過程では通気への放熱以外に見かけ上熱損失がない。 2. 図1)。 3. 温度制御によって連続通気した場合よりも乾物分解率が高くなる(連続通気、設定温度50、60、65、70℃の条件でそれぞれ7.6、14.3、11.2、7.8、4.0%)。 4. 図2)。 5. タイマー制御によって連続通気した場合よりも乾物分解率が高くなる(連続通気、4時間ON/1、2、3、5OFFの条件でそれぞれ7.6、8.4、9.3、11.5、11.8%)。 6. 上記の結果を踏まえて、実用規模における約20m3(縦7.15×横3.74×高さ0.75m、試験期間中平均/最高/最低気温:13.4/18.7/-3.2℃)の反応槽で通気のON/OFFを検討した。その結果、実用規模であっても温度制御は可能であるが、タイマー制御の場合は堆肥温度の低下が見られた。 | ||||||||||
成果の活用面・留意点 | 1. 通気のON/OFFによって乾物分解率が高くなることから、堆肥の処理時間を短縮できる可能性がある。 2. 処理施設の規模、構造毎に制御間隔、設定温度、通気量の条件を決定するまでには至っていない。また、堆肥温度を高温で制御するほど過乾燥する傾向があるので水分調整に気をつける。 | ||||||||||
カテゴリ | 病害虫 乾燥 雑草 |