ヤマドリ精液の凍結保存技術および凍結融解精液を用いた人工授精

タイトル ヤマドリ精液の凍結保存技術および凍結融解精液を用いた人工授精
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1996
要約 希少野生動物保全の一環としてLAKE液による家禽凍結精液作製法を用いて、人工飼育下のヤマドリ精液の凍結保存を試みた。凍結融解後の精液性状は良好であり、人工授精により雛を得ることに成功した。家禽精液の凍結保存技術の応用は、野生鳥類の保存と増殖に有効な手段となりうることが判明した。
背景・ねらい 個体数の減少した野生生物の保全には、生息域内保存に加え、受精卵や精子の
凍結保存といった生息域外保全が考えられる。畜産分野で確立された繁殖技術
を野生動物に応用することは、その動物の保存と増殖に有効な手段である。本
研究では家禽の凍結精液作製法を人工飼育下にあるヤマドリに応用して、凍結
精液の作製を試みた。また、この凍結保存精液を用いて繁殖が可能であるか否
かを人工授精によって検討した。
成果の内容・特徴
  1. 人工飼育下にあるヤマドリから精液を採取し、14%グリセリンを含むLAKE液(14G-L)、2%グリセリン含糖付加LAKE液(2G-m L)、耐凍剤としてジメチルアセトアミドを添加(6%)したプロタミン含有凍結用希釈液(6D一P)およぴ6D-P液に糖を付加した6D一m P液(表1)を用いて簡易凍結法により凍結精液を作製した。これら凍結精液を融解し精子の運動性およぴ形態について検討したところ、14G-L液による凍結精液で融解後の精子の運動性並ぴに形態(特に先体部分)が最も良好に保たれていた(図1,図2)。
  2. 14G-Lおよぴ6D-P液によって作製した凍結精液を解凍し人工授精を行ったところ、受精卵を得ることに成功した。14G-L液による凍結融解精液を用いた人工授精では、人工授精後産卵した8羽のうち2羽から有精卵を得、人工孵化に成功した。そのうち1羽は2週間受精卵を産み続けた。融解後直接人工授精に用いることのできる6D-P液による凍結融解精液では、3例中1例で受精卵を得ることに成功した(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 家禽で広く実施されている14%グリセリンを含むLAKE液を用いて野鳥であるヤマドリの精子を凍結保存することができた。他の野鳥については個々に検討する必要がある。
  2. 6D-P液による凍結精液は融解後直接人工授精に用いることができ、融解後直ちにグリセリンを除去する必要のある14G-L液に比べ野外での作業に適している。
図表1 226171-1.gif
図表2 226171-2.gif
図表3 226171-3.gif
図表4 226171-4.gif
カテゴリ 繁殖性改善

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