イネの物質生産に関する多様な形質の遺伝子座(QTL)解析

タイトル イネの物質生産に関する多様な形質の遺伝子座(QTL)解析
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 日本晴×カサラスの戻し交雑後代を用いて、量的形質の遺伝分析(QTL解析)を行い、収量特性、光合成及び形態等の24個の形質に関与する遺伝子座を明らかにした。
背景・ねらい イネゲノム研究プロジェクト(当研究所とSTAFFとの共同研究)により作成された高密度遺伝
地図を利用することにより、量的形質に関する遺伝子座(QTL)の遺伝分析が容易に行えるよう
になった。現在まで、イネのみならず他の植物においても物質生産に関わる形態及び生理機能に
関する形質のQTL解析はほとんど進んでいない。本研究では、イネの物質生産に関する形質の
QTL解析を行った。
成果の内容・特徴
  1. 日本晴×カサラスの戻し交雑後代を用いて、Daviesらの方法(Physiol. Plant. 1999. 106:
    210-218)に従いQTL解析を行い、新規の形質13個を含む24個の形質に関する遺伝子座を明
    らかにした (P≦0.01)(図1)。
  2. それらの形質は、収量構成要素、草丈(生育中期及び最大値)、葉面積等の農学的な形質、並
    びに現在まで他の植物においてもQTL解析が行われていない光合成能力、老化の指標であるク
    ロロフィル減少率、葉内の二酸化炭素濃度を反映する炭素同位体分別値(δ13C値)等の生理学的
    形質に分けられた。
  3. 一般に光合成能力、止葉のクロロフィル減少量及び受光態勢は収量に関与すると考えられ
    ている。しかしながら、収量に関与する遺伝子座の近傍に、光合成能力、クロロフィル減少量、
    受光態勢(草丈、株幅等)に関与する遺伝子座は検出されなかった。
成果の活用面・留意点 本研究成果と特定の遺伝子座領域を含む準同質系統を組み合わせて研究を進めることで、各遺伝子
座による物質生産に関する形質の制御機構の推定が可能となる。また、マップベースクローニン
グ法を利用した研究を経て、各種遺伝子の単離に寄与するものと考えられる。
図表1 226251-1.jpg
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