イネ穂ばらみ期耐冷性遺伝子のDNAマーカー

タイトル イネ穂ばらみ期耐冷性遺伝子のDNAマーカー
担当機関 --
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 高度障害型耐冷性を有する水稲中間母本農8号の穂ばらみ期耐冷性遺伝子が第3、4染色体の末端領域に座乗していることを明らかにした。第4染色体上の耐冷性遺伝子については耐冷性遺伝子をDNAマーカーの中間に位置づけることにより組み換えによる選抜漏れの可能性を小さくするとともにマーカー選抜を簡便化するためにSTSマーカー(約20塩基のプライマーセット)を開発した。
背景・ねらい 中間母本農8号は高度障害型耐冷性を有しているが、出穂性その他の点で数多くの不良形質を残している。したがって、中母農8を耐冷性育種に利用するためには耐冷性遺伝子を効率よく取り出す手法の開発が必要である。そのために、中母農8の耐冷性遺伝子をDNAマーカー地図上に位置づけ、さらに、より簡便に遺伝子型を判定するために、DNAマーカーの一種であるSTSマーカーを開発する。
成果の内容・特徴
  1. 中母農8の穂ばらみ期耐冷性遺伝子は第3、第4染色体の末端領域に座乗している(図1)。
  2. 第3染色体の耐冷性遺伝子については2個のRFLPマーカーがマーカー選抜に利用できる(図1)。
  3. 第4染色体の耐冷性遺伝子については10個のRFLPマーカーと3個のSTSマーカーがマーカー選抜に利用できる(図1)。
  4. STSマーカーはアルカリ煮沸した葉片からDNA断片を増幅することにより検出することができ、マーカー選抜の制限要因とされていた染色体DNAの抽出が不必要である(図2)。
  5. 第4染色体の耐冷性遺伝子はRFLPマーカーR2737とRFLPマーカーXNpb102およびSTSマーカーSCAM20の間に座乗していると推定される(図3)。3.で示したSTSマーカーの簡便性から、一次選抜としてSCAM20による選抜を行い、組み換えによる耐冷性遺伝子脱落の可能性を回避するためにR2737を利用すれば、効率的かつ確実に耐冷性遺伝子を選抜できる。
成果の活用面・留意点
  1. RFLPマーカーのうちR1427、 C1016、 R740、 R2737、 R738はイネゲノム研究チーム(農業生物資源研究所および農林水産先端技術研究所)により開発され農林水産省DNAバンクに寄託されたものであり、配布申請等の連絡先はDNAバンク(http://bank.dna.affrc.go.jp/indexj.html)である。
  2. 第3、第4染色体の耐冷性遺伝子だけでは中母農8の耐冷性の全てを説明することは出来ない、という結果が得られている。したがって、ここで示したDNAマーカーは初期世代における材料の絞り込み等の形で補足的に利用されることが望ましい。
図表1 226195-1.gif
図表2 226195-2.gif
図表3 226195-3.gif
カテゴリ 育種 水稲 DNAマーカー

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