イネ発現遺伝子地図の作成

タイトル イネ発現遺伝子地図の作成
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 DNAマーカーをイネ染色体地図上にマップするための効率的な手法の開発を行った。大量のcDNAクローンをPCR法によってイネYAC物理地図上に定位させ、現在までに1000個以上からなる新しいDNAマーカー(発現遺伝子マーカー)を作出した。
背景・ねらい  農業上及び生物学上重要な遺伝子をイネより単離するためには、詳細な遺伝子分子地図が不可欠である。従来cDNAクローンをDNAマーカーとして地図上にマップするために、日本晴一カサラス品種間の分子多型を利用して連鎖解析によって地図上にマップする手法をとっていたが、YACを用いたイネ物理地図の開発によって、あらたなマーカーの作出が可能になった。本研究では、すでに大量に解析されているcDNAクローンの塩基配列(EST)を利用して、PCRを利用することによりcDNAを物理地図上にマップする手法を検討し、実際に多くのマーカーを作出した。
成果の内容・特徴
  1. イネゲノム研究チームによって5’末端塩基配列の決定されたcDNAクローンの3’末端塩基配列を決定し、5’末端、3’末端の両方にプライマーを設計し、PCRスクリーニングによってプールされたYACライブラリーをスクリーニングして、標的cDNAの存在するYACクローンを同定した。

  2.  5’末端(ORF)側でプライマーを設定すると、増幅産物にはマルチバンドを示すものが多く、また酵母由来のバンドも多かった。これに比べて3’末端側の非翻訳領域の配列をプライマーに用いてPCRを行うと、遺伝子持異的な増幅が見られた。
    表1に両者の比較例を示す。
  3. ホモロジー検索によってプロテインキナーゼと相同性の認められた187個のESTについて101個をYACの物理地図上に位置づけることができた。
  4. 1997年12月現在で1800個のEST(培養細胞又は植物各器官由来)に対してスクリーニングを行い、1258個について単一な増幅断片を得た。これらについてYACライブラリーをスクリーニングした結果延べ4289個YACをスクリーニングできた。これらについて既存の物理地図との関連を調べた結果、1272個のESTをマーカー化することができた。各染色体毎のマーカ一の数を図1に示す。このマッピングの効率を評価したものを図2に示す。3’末端にプライマーを設定した場合、87%が遺伝子特異的増幅をしており、この方法論の効率性を示す。また副産物として、従来の物理地図では連鎖地図上に位置づけられなかった786個の新しいYACクローンを新たに整列化したと共に、45箇所の物理地図上のギャップを埋めることができた。
成果の活用面・留意点 〔成果の活用面・留意点]
    ESTマーカーはマッピングに多型を必要としないので効率が良く、マーカーの数を増やすのには最適である。しかしこれも既存の物理地図が存在する範囲内にしかマーカーを作成できず、最も必要な持定領域にマーカーを集中的に作成する目的には向かない。またESTマーカーの精度は基本的にはYACサイズを越えるものではなく、さらに詳細な位置決定にはESTを連鎖分析によって遺伝的にマップする方法も検討すべきである。
図表1 226201-1.gif
図表2 226201-2.gif
図表3 226201-3.gif
カテゴリ DNAマーカー 品種

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