| タイトル |
コシヒカリに高いカルス形成能及び再分化能を付与するためのQTL解析 |
| 担当機関 |
農業生物資源研究所 |
| 研究期間 |
1997~1998 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1997 |
| 要約 |
カルスが褐変しやすい難培養性のイネ品種コシヒカリとインディカ品種Kasalathとの交配集団を用いて培養特性についてのQTL解析を行った。その結果、6個のQTLが検出され、コシヒカリの培養特性の改良のための基礎的知見を得た。
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| 背景・ねらい |
遺伝子組換えイネの作出には、高効率の再分化系が必要であるが、国内の基幹品種であるコシヒカリのカルスは褐変しやすく培養しにくい。本研究では、コシヒカリとインディカ品種Kasalathとの交配集団を用いてQTL(Quantitative trait loci;量的遺伝子座)解析を行い、カルス形成能及び再分化能に関与する遺伝子座の数と位置を明らかにする。同時に、RFLPマーカーを用いた選抜により、培養特性を向上させる対立遺伝子座を効率的にコシヒカリに導入する。
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| 成果の内容・特徴 |
- コシヒカリとKasalathとの交配集団BClF3系統群183系統を材料として、種子カルス形成能・再分化能についてのQTL解析を116個のRFLPマーカーを用いて行ったところ、有意水準0.1%で計6個のQTLが検出された(図にa~fとして示す)。これら6個のQTLの培養能力を高めるアレールは、第4染色体上のdではコシヒカリ型で、それ以外の5個のQTLではKasalath型であった。
- 再分化シュート数に関与するQTLのうち、第1染色体上のbは、カルスの生育に関与するQTLであることがわかった(図)。同じく第1染色体上のaも、有意水準1%ではカルスの生育に関与するQTLが検出された。しかし、第6染色体上のeは、カルスの生育ではなく、カルスからの再分化そのものに関与すると考えられた(図)。
- 第4染色体上のQTLであるdは、日本晴とKasalathとの交配集団のQTL解析(Taguchi-Shiobara et al, 1997)で検出されたQTLの一つqRg4c と連鎖地図上の位置がほぼ同じであることから、qRg4c と同一の遺伝子である可能性がある。
- 検出されたQTLのうちa、b、fの3つのQTLについては、これらの領域をKasalathのゲノムに置換した準同質遺伝子系統を作出するため、BClF3系統にコシヒカリを戻し交雑してBC3F1種子を得た。
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| 成果の活用面・留意点 |
今回明らかになったQTLについて、カルス形成能及び再分化能を向上させるKasalathの対立遺伝子座をコシヒカリに導入することにより、コシヒカリの培養特性を改良することが期待される。
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| 図表1 |
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| カテゴリ |
品種
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