アジア栽培イネにおける雑種崩壊遺伝子座近傍の遺伝変異と種内分化

タイトル アジア栽培イネにおける雑種崩壊遺伝子座近傍の遺伝変異と種内分化
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 雑種崩壊に関与する2個の遺伝子座hwd1 およびhwd2 がそれぞれ第10および第7染色体に座乗することを明らかにした。また、hwd2 座近傍の染色体領域では遺伝変異がインド型イネ・日本型イネの品種群に特異的であるため品種群分化に関係する遺伝子の存在が示唆された。
背景・ねらい アジア栽培イネには種内に部分交雑不和合性、雑種致死、雑種崩壊、選択受精など多様な生殖的隔離機構が存在する。生殖的隔離機構は遺伝子の自由な交換を妨げる要因であり、種内分化と深く関係すると考えられる。しかしながら、関与遺伝子の染色体上の位置や種内分化との関係についての研究例は少ない。アジア栽培イネにおける生殖的隔離機構の一つである雑種崩壊では品種間雑種のF2以降の世代において両親に比べ草丈や分げつ数が著しく劣る弱勢個体が出現する。これまでに、2個の遺伝子座hwd1 およびhwd2 がこの雑種崩壊に関与することが明らかにされているが、関与遺伝子の染色体上の位置や種内分化との関係は明らかにされていない。そこで、これらを明らかにし栽培イネの種内分化と関係する遺伝子の機能を解析する。
成果の内容・特徴
  • RFLP連鎖解析により雑種崩壊に関与する2個の遺伝子座のうちhwd1 座は第10染色体連鎖地図短腕側に、hwd2 座は第7染色体連鎖地図中央部に位置づけられた(図1)。
  • アジア栽培イネ品種において第10染色体hwd1 座近傍の領域ではRFLPマーカーのバンドパターンがインド型イネ・日本型イネの品種群に対応する確率である一致率が低く、この染色体領域は品種群分化とは無関係と考えられる(図2左、網掛け部分)。
  • アジア栽培イネ品種において第7染色体hwd2 座近傍の領域では全てのRFLPマーカーのバンドパターンと品種群との一致率が高く、この染色体領域には品種群分化に関係した遺伝子が存在すると考えられ(図2右、網掛け部分)、hwd2 座と密に連鎖したRFLPマーカーは品種群分類の指標となる。
  • 成果の活用面・留意点
    1. アジア栽培イネにおいて雑種崩壊遺伝子座hwd2 と連鎖したDNAマーカーはインド型イネ・日本型イネの品種群分類の指標として活用できる。
    2. hwd2 座をはじめhwd2 座近傍の染色体領域に存在する遺伝子の機能を解析することは種内分化の機構解明につながる。
    図表1 226214-1.gif
    図表2 226214-2.gif
    カテゴリ DNAマーカー 品種

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