菌根性食用きのこショウロの共生栽培に向けた感染苗作成技術の開発

タイトル 菌根性食用きのこショウロの共生栽培に向けた感染苗作成技術の開発
担当機関 森林総合研究所
研究期間
研究担当者 明間 民央
根田 仁
宮崎 和弘
発行年度 2000
要約 菌根性食用きのこショウロを林地で共生栽培するために、クロマツ当年生実生に人工接種を行う簡便で低コストな手法を開発した。腐敗子実体由来の胞子懸濁液とアルギン酸ナトリウムゲルによる胞子の根の表面への保持で、接種成績が改善された。
背景・ねらい 海岸マツ林に発生する菌根性きのこの一種ショウロ(写真1)は、かつて地域の食材として利用されていたが、近年は森林の利用形態の変化と共にその発生林分が著しく減少している。しかし一部では根強い人気と希少価値から高値で取り引きされ、また採集者による発生地の環境整備が行われ海岸林がアグロフォレストリー的に利用されている例もある。それを発展させ共生栽培へ至る最初の段階として、ショウロをクロマツ苗に感染させる簡便で低コストな手法の開発を行った。
成果の内容・特徴 純粋培養した菌糸体とクロマツ無菌実生を用いた二者培養によるショウロの接種は、播種後1ヶ月のクロマツ実生に旺盛に生長しているショウロ菌糸体を直接接触させる方法で可能であった(写真2)。しかしこの手法は無菌操作を要し簡便さに欠けるため、子実体を同量の水と摩砕して得た胞子懸濁液による開放系での接種を行ったところ、新鮮子実体摩砕液をそのまま施用すると各種害菌が発生して宿主実生が悪影響を受け、菌根は形成されなかった。10倍希釈胞子液を用いて低濃度寒天とティッシュペーパーによって胞子の保持を試みると菌根が形成された。

野外ではショウロは成熟した後に腐敗液化する。そこで人為的に子実体を腐敗させてから胞子懸濁液(77万個/mm3)を作成し、その10倍希釈液をアルギン酸ナトリウムで粘度を高め胞子ゾルとして施用したところ、害菌は発生せず、高率で菌根が形成された。さらに、実生の根を胞子ゾルに浸した直後に0.INの希塩酸に浸すことでゾルを固化させて胞子を保持する方法で取扱いを容易にしても、充分に良好な菌根形成が見られた(表1)。また、接種実生の保育培土について二者培養系で検討したところ、菌根菌を接種したマツ属実生の保育によく用いられる5%(v/v)ピートモスを添加したバーミキュライトでは菌根化が抑制され、25%籾殻燻炭を添加すると最も菌根化が促進された(表2)。2年生裸苗の根を胞子ゾルに浸してからゲル化させる方法で接種すると、供試10個体中半数に菌根形成が見られた(写真3)。

今後この手法をコンテナ苗に応用し、実用技術へと発展させたい。
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カテゴリ 低コスト 播種

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