表現形質および16S rDNA塩基配列に基づく青枯病菌 Ralstonia solanacearum系統解析

タイトル 表現形質および16S rDNA塩基配列に基づく青枯病菌 Ralstonia solanacearum系統解析
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 ナス科植物青枯病菌の系統解析を細菌学的性質に基づくクラスター分析、および16S rDNAの塩基配列により行った。大半の日本産株は既報のアジア型に属したが、一部は未報告の新しい系統の可能性が高い。
背景・ねらい 植物病原細菌Ralstonia solanacearum はトマト等のナス科作物に青枯病を引き起こし、重大な被害を与えている。本菌は細菌学的性質および病原性において変異性に富むほか、地域性による多様な特徴が報告され、多くの類別群に分けられるが、相互の関連性は明確ではない。本研究では、表現形質およびDNA解析に基づく本菌の遺伝系統を明らかにすることにより類縁関係を解明するとともに、同定・診断の簡便化を図ることにより青枯病の防除法開発に資する。
成果の内容・特徴
  1. 国内および海外の各種植物の青枯病および立枯病に由来する83菌株を収集し、その細菌学的性質および病原性について検討した結果、すべての株がR. solanacearum であることが確認された。
  2. 供試菌株は炭水化物の利用能により6つの生理型(biovar)に類別された。日本産株は4つのbiovarに分けられ、特にbiovar3と4が大半を占めた。20項目の細菌学的性質の違いに基づきクラスター分析を行った結果、それぞれbiovarの異なる7つのクラスターに分かれ、biovar1と2は外国産のそれらとは異なるクラスターに属した(図1)。
  3. 日本産青枯病菌について、16S rRNA遺伝子の塩基配列を調べるとともに、同領域についてPCR-RFLP法による比較を行った(表1、図2)。biovar3と4に属する株はアジア地域に由来する系統と相同であった。しかし、従来アメリカ由来とされてきたbiovar1と2に属する株は、アジア由来の株と相同で、新しい系統である可能性が明らかになった。さらに、日本のジャガイモ分離株の一部は原産地の南米由来の株とは異なり、インドネシア由来の株と遺伝的に類似することが判明した。 
成果の活用面・留意点
  1. 外国産青枯病菌では病原性や表現型において日本産株とは異なる様々な系統の存在が報告されており、これらの菌との遺伝的類縁関係が明らかにできる。
  2. とくにジャガイモ分離株では遺伝系統の異なる菌株が多数存在しているが、これらは16S rDNA領域のPCR-RFLP解析により相互に識別可能である。
図表1 226244-1.gif
図表2 226244-2.jpg
図表3 226244-3.gif
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 立枯病 トマト なす ばれいしょ 防除

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