| タイトル |
多糖分解酵素遺伝子を利用した葉いもち抵抗性組換えイネの作出 |
| 担当機関 |
農業生物資源研究所 |
| 研究期間 |
1999~2000 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1999 |
| 要約 |
イネのキチナーゼ遺伝子あるいは1,3;1,4-β-グルカナーゼ遺伝子をイネに再導入し、恒常的に発現させることによって、葉いもちに対する抵抗性が増強されたイネ(品種:日本晴、コシヒカリ)を作出した。
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| 背景・ねらい |
イネいもち病抵抗性育種において、いもち病に対する真性抵抗性遺伝子の導入では耐性菌の出現による抵抗性の崩壊が起こるため、効果はマイルドだが持続性のある圃場抵抗性の付与が試みられている。しかしながら、良食味の人気品種に圃場抵抗性を導入するには長い年月がかかると予想される。本研究では、圃場抵抗性に関与していると考えられるイネの多糖分解酵素(キチナーゼ・グルカナーゼ)の遺伝子を利用して、いもち病などの菌類病に対する抵抗性が高められたイネを作出することを目的とする。
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| 成果の内容・特徴 |
- イネから単離した2種類のキチナーゼ遺伝子クローン(RCC2およびRCG3)、あるいは1,3;1,4-β-グルカナーゼ遺伝子クローン(Gns1)を利用して図1に示したベクターを構築し、アグロバクテリウム法を用いて日本晴およびコシヒカリを形質転換した。
- 形質転換イネにおいて、RCC2キチナーゼは細胞内に、RCG3キチナーゼは細胞外にそれぞれ蓄積する。
- 導入遺伝子の恒常的発現が確認された形質転換イネの幼苗にイネいもち病菌(レース007.0または333)の胞子を噴霧接種して病徴の発現を評価したところ、病斑面積、病斑数ともにコントロールに比べ減少した(図2)。
- キチナーゼ遺伝子で形質転換したイネから抽出した粗酵素液はいもち菌の生育を阻害したが、グルカナーゼ遺伝子再導入イネのものは阻害効果を示さなかったことから、両遺伝子のいもち病抵抗性付与効果のメカニズムは異なることが示唆される。
- 非形質転換イネとキチナーゼ発現イネおよびグルカナーゼ発現イネとの間で生育を比較したところ、キチナーゼ発現イネではやや短稈になった他は大きな違いは見られなかった。グルカナーゼ発現イネでは草丈・稈長が共に減少し( 図3)、発現量が高い個体は生育が著しく阻害される。
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| 成果の活用面・留意点 |
- 収量や倒伏性等の生育・栽培特性をさらに詳しく調査するとともに、外来遺伝子の発現部位を制御する必要がある。
- 今後、葉いもち以外の菌類病抵抗性についても評価する予定である。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
育種
いもち病
耐性菌
抵抗性
抵抗性遺伝子
品種
良食味
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