C型レクチン糖鎖認識ドメインの2量化機構

タイトル C型レクチン糖鎖認識ドメインの2量化機構
担当機関 農業生物資源研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 蛇毒由来のC型レクチン様タンパク質はレクチン活性をもたない。X線解析の結果、2つのドメインはドメインスワッピングにより2量化していることが判った。このためレクチン活性を消失し、代わりに凝固因子結合という新しい機能を獲得した。
背景・ねらい 蛇毒由来の血液凝固因子結合タンパク質はC型レクチンスーパーファミリーに属している。このタンパク質としては、これまでに血液凝固IX因子に結合するタンパク質(IX-bp)、X因子に結合するタンパク質(X-bp)及びそのどちらの因子にも結合するタンパク質(IX/X-bp)等が知られている。しかし、これらのタンパク質はレクチン活性はもたず、血液凝固因子に結合し、抗血液凝固活性を示す。この機能を立体構造の面から明らかにするために、これらのタンパク質のX線構造解析を行った。
成果の内容・特徴
  1. IX/X-bpのX線解析の結果、このタンパク質はC型レクチンの糖鎖認識ドメイン(C型CRD)のヘテロ2量体であり、中央のループが相手側ドメイン(サブユニット)の本体に突出し2量化していることが判った。これは、アイゼンベルグによって提案されている3Dドメインスワッピングによるタンパク質の2量化の1例と考えられる。この2量化によってレクチン活性が消失し、新たに生じた中央の凹面表面が凝固因子結合部位であることが明らかになった(図1左)。
  2. IX-bpのX線解析の結果、基本的にはIX/X-bpの立体構造とよく似ていることが判った。
  3. ラットのマンノース結合タンパク質(MBP、図1右)をC型CRDの仮想モノマーとすれば、IX-bp、IX/X-bpは3Dドメインスワッピング機構によってつくられたC型CRDの2量体であると考えられる(図1)。おそらく、新しい機能を獲得するための進化の過程で、C型CRDという構造単位の有効利用が行われたものと推察することができる。
成果の活用面・留意点 今回のX線解析より、上述のタンパク質を3Dドメインスワッピングによる2量化機構の貴重な1例として提案した。進化の過程で生じた2量化機構を研究する上での構造情報として提供することができる。また、これらタンパク質の立体構造から血液凝固阻害剤の開発につながる合理的分子設計が可能になると期待できる。
図表1 226255-1.jpg
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