日本産新規フザリウム属菌の発見と分類形質の再評価

タイトル 日本産新規フザリウム属菌の発見と分類形質の再評価
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 K. O''Donnell (米国 USDA/ARS)
市川和規(山梨総農試)
青木孝之
発行年度 2001
要約 ジーンバンク所蔵の日本産フザリウム属菌の分類学的再評価を行い、1新種、2日本新産種を明らかにした。本属菌の分類学上の鑑別形質を分子系統学的解析結果と対応させて評価するには光条件の制御が極めて有効であることを見い出した。
背景・ねらい フザリウム(Fusarium)属菌は様々な作物病の原因糸状菌で、時に甚大な被害をもたらす。本菌群の防除のため分類法の確立が求めらるが、近年、分子生物学的手法の進展により、遺伝子型を基にした分子系統学的解析がその分類に急速に取り入れられ、表現型質のみに基づく分類区分の多くが人為的であることが明らかとなった。このため、本属菌について各種遺伝子のDNA塩基配列に基づく分子系統と比較することで、鑑別のための分類形質を包括的に再整理し、分子系統を反映した種の境界に合致する有効な分類手法及び分類形質の評価法を開発することを目的とした。
成果の内容・特徴
  • 擬頭を形成するFusarium属菌の内、Fusarium subglutinansに該当する日本産菌株について、主にMAFFジーンバンク所蔵菌株を用い、種の鑑別に用いられる分類形質(表現型質)を計測条件と共に詳細に再評価し、1新種、2日本新産種を明らかにした。
  • 新種、Fusarium fractiflexum(図1、2)について公式の新種記載を行い、2日本新産種、F. concentricum(図3)及びF. circinatum(図4)について再記載した。F. concentricumについて新しい鑑別形質を見いだした。
  • 本菌群の分類形質を精密に把握するためには、培養基はPDAとSNA+滅菌濾紙片の組合せが、照明条件は完全暗黒下とBLB(ブラックライト)連続照射の組合せが、有効であった。
  • 米国USDA/ARS、NCAURとの共同研究で、ミトコンドリア小サブユニットrDNA (mtSSUrDNA)やβ-チューブリン遺伝子等のDNA塩基配列をそれら菌株について決定した。近縁既知種との比較検討を行ってこれら菌種の境界を明確にし、近縁既知種との区別に矛盾のない有効な分類形質を定義した。
  • Fusarium fractiflexumの気生分生子は完全暗黒下では擬頭となる(図1)が、BLB連続照射下ではジグザグ状の連鎖となる(図2)。F. concentricumでは、完全暗黒下で生じなかった舟形で基部がくさび形の多細胞分生子が、BLB連続照射下では安定して形成される(図3)。
  • 成果の活用面・留意点
      本研究で見いだされた日本産新規Fusarium属菌株はジーンバンクに登録されており、分類学その他の目的の研究材料として提供される。本研究で再評価された菌株およびその分類学的知見は、Fusarium属菌の分類体系再構築に利用できる。
    カテゴリ 病害虫 光条件 評価法 防除

    こんにちは!お手伝いします。

    メッセージを送信する

    こんにちは!お手伝いします。

    リサちゃんに問い合わせる