蛇毒タンパク質のX線解析による立体構造の解明

タイトル 蛇毒タンパク質のX線解析による立体構造の解明
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 1999~2003
研究担当者 水野洋
藤本瑞
発行年度 2001
要約 蛇毒由来の凝固X因子結合タンパク質と凝固X因子のGlaドメインの複合体のX線構造解析を行い、血液凝固の阻害機構を明らかにした。また、血小板凝集を促進する蛇毒タンパク質のX線構造解析を行い、そのターゲットタンパク質との結合モデルを提案した。
キーワード X線構造解析、蛇毒タンパク質、凝固X因子、血小板凝集
背景・ねらい 血液凝固や血小板凝集に深く関わる蛇毒由来のタンパク質のX線解析を行い、立体構造と機能との関係を明らかにする。特に、今年度は、凝固X因子結合タンパク質と凝固X因子のGlaドメインとの複合体の結晶化を行い、このX線解析により、立体構造および機能発現機構を明らかにする。
成果の内容・特徴
  • 蛇毒由来の凝固X因子結合タンパク質と凝固X因子のGlaドメインとの複合体を調製した後、結晶を作製し、フォトンファクトリー放射光を利用して結晶のX線データを測定した。次にコンピュータを用いてX線データを基に構造解析を行い、2.4オングストローム分解能における立体構造を明らかにした(図1)。
  • 上記の両分子は、親水結合部位及び疎水結合部位の2箇所で結合していることが明らかになった。また、この複合体の立体構造を基にして、蛇毒による血液凝固の阻害機構を明らかにした。
  • 同様に、血小板凝集を促進する蛇毒タンパク質bitiscetinの結晶作製と、そのX線構造解析を行い, bitiscetinの立体構造を2.0オングストローム分解能にて明らかにした(図2)。
  • bitiscetinの立体構造を基にして、既に立体構造が明らかになっているフォンビルブラント因子(VWF)のA1ドメインとのドッキングをコンピュータ上で行い、表面電荷をも考慮して、結合モデルを作製した。
  • 成果の活用面・留意点
    1. 蛇毒由来の凝固X因子結合タンパク質は、天然に存在する抗血液凝固剤であるといえる。今回の凝固X因子のGlaドメインとの複合体のX線解析により得られた立体構造情報を基にコンピュータを駆使して分子設計を行い、より効果的な新しい抗血液凝固剤の開発が期待される。
    2. 同様にbitiscetinにおいても、X線解析により得られた立体構造情報を基に分子設計を行い、血小板凝集を促進する血液凝固剤の開発が期待される。
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