豚体外成熟卵子の効果的な活性化方法

タイトル 豚体外成熟卵子の効果的な活性化方法
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2003
研究担当者 永井卓
竹之内直樹
淵本大一郎
平尾雄二
発行年度 2002
要約 豚未成熟卵子を48時間培養を行うことによって得た体外成熟卵子を活性化する際、定法の電気刺激にブチロラクトン-1処理を併用すると、効率的に正常な活性化卵子が得られ、胚盤胞期胚への発生が確認された。
キーワード 体細胞クローン豚、体外成熟卵子、活性化、胚盤胞期胚
背景・ねらい 当研究チームでは、世界に先駆けて体細胞クローン豚の生産に成功した。しかし、現行の体内成熟卵子を用いる方法では、1)その回収作業に労力を要し、2)多数の卵子の確保が容易ではない。さらに、3)受精における精子侵入に匹敵するクローン胚の活性化方法が確立されていないという問題がある。ところが、食肉処理場で得られる卵巣内には多数の未成熟卵子が存在し、比較的簡単に体外で成熟させることが出来る。また、クローン胚の活性化のモニターとして、成熟卵子を用いることが出来るというメリットがある。そこで、本研究では体外成熟卵子が高率に胚盤胞期胚へと発生する、豚未成熟卵子の成熟培養方法および活性化方法を確立することを目的とする。活性化方法としては、電気刺激に加え、細胞周期に関与するキナーゼに阻害作用を示すブチロラクトン-1(BL-1)を用いて卵子を処理した。
成果の内容・特徴
  1. 豚未成熟卵子を成熟培養液中で、36、42および48時間培養すると、それぞれ、79.6、81.6および83.6%の成熟率が得られ、どの区にも有意差がなかった。
  2. それぞれの培養時間で、成熟卵子に電気刺激単独あるいはBL-1処理との併用によって活性化を行った。その結果、電気刺激単独の場合、1)培養36時間の活性化率は、他の区と比較して有意に低く(P<0.05)、2)どの培養時間でも、BL-1を併用した場合と比べて、正常な活性化卵子の割合が低い傾向が見られた(表1)。
  3. 48時間培養した成熟卵子に、上述の電気刺激とBL-1処理との併用によって活性化を行った後に、WhittenおよびmNCSU37培養液を用いて発生培養を行い、培養2日および6日後に、それぞれ、分割率および胚盤胞期胚への発生率を調べ、さらに、胚盤胞期胚についてはその細胞数についても調べた。その結果、mNCSU37培養液を用いた場合に、Whitten培養液と比較して、有意に高い胚盤胞期胚への発生率および胚盤胞期胚一個当たりの細胞数が得られた(P<0.05)(表2)。
  4. 以上のことから、豚未成熟卵子は48時間成熟培養後に、電気刺激およびブチロラクトン-1を用いて活性化刺激を与えることによって、効率的に活性化され、その体外発生にはmNCSU37が有効であることが明らかになった。
成果の活用面・留意点
  1. 開発された豚体外成熟卵子の成熟・活性化方法が、実際に体細胞クローン豚作成に有効であるかどうかを確認する必要がある。
  2. 単為発生胚の発生(発生停止)機構の解明に役立つ。
  3. 体細胞クローン豚の効率的な生産が望める。
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