アズキ亜属に関する新分類体系の確立と種標準コレクションを用いた分子類縁関係の解明

タイトル アズキ亜属に関する新分類体系の確立と種標準コレクションを用いた分子類縁関係の解明
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 ダンカンヴォーン
加賀秋人
友岡憲彦
発行年度 2002
要約 2新種、3新節、1新組み合わせを記載し、これまで17種とされていたアズキ亜属を21種に改定した新分類体系を確立した。さらに、独自に収集した材料を用いてこの新体系の種を代表する種標準コレクション(Species Standard Collection)を構築し、種間分子類縁関係を解明した。
背景・ねらい アズキ・リョクトウ等アジア起源の重要な食用マメ科作物はアズキ亜属に属する。アズキ亜属の野生種は、多様な種分化を遂げており今後さらに重要性を増す有用遺伝資源である。しかし、これまでの分類体系には不十分な点が多く、これら野生種の利用に関する生命科学研究に支障をきたしてきた。そこで、Kew等に保存されている主要なヨーロッパの標本調査と、これまで独自に収集してきた生きた材料をもとに新しい分類体系を確立し、その新体系に含まれる種を代表する分子類縁関係に関する情報を備えたSpecies Standard Collectionを構築し、今後の研究の知的基盤とすることを目的に研究を行った。
成果の内容・特徴
  1. スリランカに固有な新種Vigna aridicola N.Tomooka & Maxtedとタイ北部からミャンマーに分布する新種 V. tenuicaulis N.Tomooka & Maxtedを記載した(図1)。
  2. アズキ亜属を3つの新しく設定した節Aconitifoliae節、 Ceratotropis節、 Angulares節に分類した(図2)。
  3. これまで別種とされていたVigna glabrescensとV. reflexo-pilosaが同種であることを確認し、V. glabrescensをV. reflexo-pilosaの変種V. reflexo-pilosa var. glabraとして記載した。
  4. その他にいくつかの変更を行い、これまで17種とされていたアズキ亜属を21種に改定した新しい分類体系を確立した。
  5. 1989年に開始し現在も継続して行っているアズキ亜属野生種の組織的収集によって、世界初のLiving Collection12種を含む20種の収集に成功した。このコレクションの中からそれぞれの種を代表する系統を選びSpecies Standard Collectionを構築した。
  6. このSpecies Standard Collection を用いて、AFLP、rDNA ITSとcpDNA atpB-rbcL spacer regionのシークエンス、トリプシンインヒビター等4種のプロテアーゼインヒビターの多型を用いてこれらの種間分子類縁関係を解明した(図2)。
カテゴリ あずき 遺伝資源

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