細胞レベルにおける遺伝子発現解析に植物で初めて成功

タイトル 細胞レベルにおける遺伝子発現解析に植物で初めて成功
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者 浅野敬幸
門脇光一
発行年度 2003
要約 レーザーマイクロダイセクション法を用いることにより、特定の植物細胞を限定単離し、細胞レベルにおける網羅的な遺伝子発現解析と新規遺伝子の単離に植物で初めて成功した。
キーワード レーザーマイクロダイセクション法、イネ、師部、遺伝子発現
背景・ねらい 個々の細胞でどのような遺伝子が働いているかを調べることができれば、細胞特有な生命現象の解明や関与する遺伝子の同定など、動物、植物の分野を問わず有効な手段となる。レーザーマイクロダイセクション装置が近年開発されたことにより、目的細胞の限定的な単離が技術的に可能になった。この手法はこれまで主にヒトのガン細胞を対象としており、細胞壁構造を持つ植物細胞での成功例はなかった。そこで本研究では光合成産物などの物質輸送に関わる師部に着目し、レーザーマイクロダイセクション法を用いて植物細胞の限定単離を行い、遺伝子発現解析を行った。
成果の内容・特徴
  1. イネ葉身組織切片の調製法を検討し、レーザーマイクロダイセクションによりイネ師部の限定単離とその細胞の回収、およびRNAの抽出に成功した(図1)。
  2. 抽出したRNAを用いてcDNAの合成を行った。得られたcDNAは非常に微量であったため、その後RNAの増幅、およびcDNAを増幅し、最終的には約1μgの2本鎖cDNAを得た。得られたcDNAをプラスミドベクターにクローニングした。
  3. cDNAクローンの中から任意の約450クローンを選択し、これらの塩基配列を決定した。BLASTプログラムによる相同性検索の解析を行い、多数の新規遺伝子を同定した。
  4. in situハイブリダイゼーションにより、単離された遺伝子の1つであるamino acid permease 遺伝子が師部で特異的に発現することを明らかにした(図2)。

図1

図2
成果の活用面・留意点
  1. 今回構築したイネ師部細胞特異的cDNAライブラリーにおける個別遺伝子を解析することにより、師部の機能発現にどのような遺伝子が関わっているのかなど、さらなる知見が得られる。
  2. 本手法とマイクロアレイ解析を組み合わせることにより、各種ストレスに対する細胞レベルの遺伝子発現解析が可能となる。
図表1 226376-1.jpg
図表2 226376-2.jpg
カテゴリ 輸送

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