ペチュニアのジンクフィンガー型転写因子ZPT2-3の導入によって乾燥耐性が向上する

タイトル ペチュニアのジンクフィンガー型転写因子ZPT2-3の導入によって乾燥耐性が向上する
担当機関 (独)農業生物資源研究所
研究期間 2001~2003
研究担当者 高辻博志
上中弘典
菅野正治
発行年度 2003
要約 ペチュニアのジンクフィンガー型転写因子ZPT2-3は、乾燥、低温、傷、重金属によってその発現が誘導されるストレス応答性の転写因子である。ZPT2-3のcDNAをCaMV 35Sプロモーターの制御下にペチュニアで高発現させると、植物の乾燥耐性が顕著に向上する。
キーワード ペチュニア、乾燥耐性、ジンクフィンガー、転写因子、遺伝子組換え
背景・ねらい 乾燥、塩、低温、傷害等のストレスは植物の発生や生育に大きな影響を与える。近年、植物が外界のストレスに応答・適応する過程において、遺伝子発現の転写調節に関与する転写因子が果たす役割の重要性が認識されてきている。本研究では、ペチュニアのジンクフィンガー型転写因子のひとつであるZPT2-3が、乾燥をはじめとするストレス条件にどのように応答し、遺伝子導入によって植物のストレス耐性を改善するための素材となり得るかどうかを検討した。
成果の内容・特徴
  1. ZPT2-3遺伝子のmRNAレベルは、幼植物においては乾燥処理に応答して上昇した(図1A)。一方、成葉では、ZPT2-3遺伝子は乾燥には応答せず、傷、低温、重金属(Cd,Cu,Ni)に対して発現応答した。
  2. ZPT2-3 : : LUCレポーター遺伝子を導入したペチュニアの幼苗では、乾燥処理によってルシフェラーゼ活性が顕著に上昇し、ZPT2-3の乾燥応答が転写開始点から上流1,668 bpの配列によって制御されていることが明らかになった(図1B)。
  3. ZPT2-3 : : GUSレポーター遺伝子を導入したシロイヌナズナを解析した結果、シロイヌナズナにも同様のシグナリング経路が存在することが示された。
  4. シロイヌナズナのロゼッタ葉を用いた一過的発現系において、ZPT2-3タンパク質は転写抑制因子として機能し、タンパク質C末端近傍に転写抑制ドメインが含まれることが明らかになった
  5. CaMV 35Sプロモーターの制御下にZPT2-3を発現する形質転換ペチュニアを用い、水やりの停止、再開後の生存率を非形質転換体と比較した結果、ZPT2-3導入・発現によってペチュニアの乾燥耐性が顕著に向上していることが明らかになった(表1)。転写因子遺伝子を導入・発現させると、多くの場合、生育阻害などが見られるが、ZPT2-3を導入した形質転換体にはそのような悪影響が見られなかった。

図1

表1
成果の活用面・留意点
  1. 植物に乾燥耐性を付与するための素材としてZPT2-3遺伝子を活用できる可能性が示された。
  2. シロイヌナズナでもZPT2-3プロモーターがペチュニアの場合と同様の発現応答を示したことから、ペチュニア以外の植物でもZPT2-3を活用できる可能性がある。
図表1 226383-1.jpg
図表2 226383-2.jpg
カテゴリ 乾燥 ペチュニア

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