ダダチャ豆系のエダマメ用大豆品種はビタミン葉酸を多量に含む

タイトル ダダチャ豆系のエダマメ用大豆品種はビタミン葉酸を多量に含む
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 作物研究所
研究期間 2005~2007
研究担当者 斉藤道彦(食総研)
増田亮一
中村善行
発行年度 2007
要約 ダダチャ豆系の品種の多くは生エダマメの葉酸(5-メチル-テトラヒドロ葉酸)含量が高く、100g当たり500μgを超える品種がある。収穫後に適切な鮮度保持処理し、新鮮な状態で加熱調理することでより多くの葉酸が保持できる。
キーワード ビタミン葉酸、エダマメ、ダダチャ豆、鮮度保持、加熱調理
背景・ねらい  ビタミンB群の葉酸は貧血の改善や動脈硬化の予防にも効果があると言われている。また、新生児の先天性障害リスク軽減のために妊娠前から1日400μg以上の葉酸の摂取{厚生労働省(2000)}が重要とされている。エダマメは葉酸が豊富であることが示されているが、定量分析が煩雑であったために葉酸の集積特性についてはこれまでほとんど知られていなかった。生鮮食品についても栄養成分の表示が可能となったことから、簡易にした定量法によって多数のエダマメ用品種を分析した結果、ダダチャ豆系のエダマメ品種の多くは葉酸に富む食品であることを明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. ダイズ子実に含まれる葉酸はエダマメ収穫適期までは増加し、子実が黄化を開始すると低下する(図1)。
  2. エダマメ収穫適期の葉酸含量について約50品種の生エダマメを調査した結果、ダダチャ豆系のうち、特に遊離グルタミン酸やアラニンなどが多く含まれ、良食味で知られている品種の葉酸含量は100g当たり500μgを超えている(図2)。
  3. 葉酸は収穫後数日で低下するが、食味成分が十分に保持される流通方法である微細孔フィルム包装(MAP)して、15℃以下で莢エダマメを保存すれば、3日後であっても葉酸は80%以上保持される(図3)。
  4. 生エダマメを加熱調理すると葉酸は減少するが、やや長い4分間沸騰水中でゆでても80%以上残存し、食塩の有無でも変わらない(図4)。
成果の活用面・留意点
  1. 生エダマメの葉酸含量は栽培条件や気象条件によっても変動する。
  2. 葉酸が多いことを確認したエダマメについては、葉酸が多いことを食味と関連が深いショ糖やグルタミン酸とともに表示すれば、消費者へより強くアピールできる。
図表1 226660-1.gif
図表2 226660-2.gif
図表3 226660-3.gif
図表4 226660-4.gif
カテゴリ えだまめ 栽培条件 大豆 品種 良食味

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