和子牛生産における胚移植利用の経済的効果

タイトル 和子牛生産における胚移植利用の経済的効果
担当機関 (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 1999~2001
研究担当者 宮路広武
発行年度 2001
要約 和子牛の価格形成には血統が大きな影響を与えており、種雄牛の違いによる価格差は大きい。胚移植には、市場評価の高い種雄牛が多く用いられ、遺伝資源の有効利用に寄与し、経済的効果が得られている。
キーワード 胚移植、和子牛、価格形成要因、経営、肉用牛
背景・ねらい 畜産に胚移植を利用する目的は、より大きな経済的効果を得られる可能性のある遺伝資源を有効利用することである。この遺伝資源が、市場で高く評価されれば、胚移植利用への大きなインセンティブになる。そこで、農家レベルでの胚移植利用の先進地域の市場を取り上げ、その市場の和子牛価格形成要因の特徴を明らかにする。また、市場評価の高い血統生産を可能にする胚移植の利点が、生産現場において実現されている実態の確認と和子牛生産における胚移植利用の経済的効果の評価を行なう。
成果の内容・特徴 1.
重回帰分析を用いた価格形成要因の分析によると、去勢、雌共に、父牛が、価格形成に対して最も大きな影響を与えている。体重、日齢体重といった成長要因と比較しても母の父も含めた血統要因が、価格形成に対して大きな影響を与えている。(図1)
2.
胚移植産子に父牛として用いられている種雄牛はA,F,Gが多い。同様に母の父には種 雄牛fが多く用いられている。(表1)
3.
A県a市場における回帰分析結果を見ると種雄牛の違いによる価格差は大きく、平成11年2月期の去勢では、父牛の違いによる差は、最大204千円、母の父の違いによる差は、最大109千円である。胚移植産子に多く用いられている種雄牛は、市場で非常に高い評価を受けている。この様に、市場評価も高くより大きな経済的効果を得られる可能性のある遺伝資源の有効利用が、農家レベルでも実現されている。(表2)
4.
平成11年2月期の去勢では、胚移植産子によりもたらされた父牛の遺伝資源が、約3468千円、母の父の遺伝資源が、約495千円と試算される。(表3)
5.
しかし、実際的には胚移植以外の繁殖方式のみでの生産も考えられる。この点を考慮すると、約2697千円が胚移植によりもたらされた経済的効果と試算できる。試算方法は、まず、既に使われている胚移植産子を生産するのに必要とした遺伝資源を人工授精に用いた場合に得られるであろう額を控除する。人工授精受胎率60%、胚移植受胎率45%、採卵個数6個とすると控除部分は22%である。次に、残りの78%を人工授精のみで生産した場合に得られる額を試算し、その差を胚移植によりもたらされた経済的効果と見なした。農家レベルでは、血統A,F,Gの入手は制限的であり78%部分の父牛には用いられないものとし、A,F,G以外の市場シェアに基づいた血統で生産されるものとした。
成果の活用面・留意点 1.
和子牛生産における胚移植利用の経済的効果を計る上での参考資料になる。
2.
胚移植によりもたらされた経済的効果は、試算条件によって変動するものである。また、個別農家における取り組みは、生産コストとの関連で判断する必要がある。
図表1 226763-1.gif
図表2 226763-2.gif
カテゴリ 遺伝資源 経営管理 コスト 肉牛 繁殖性改善

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