タイトル | 硝酸態窒素濃度を低減できる秋作エンバクの栽培技術と導入地域の推定 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 1998~2001 |
研究担当者 |
吉村義則 魚住順 原田久富美 佐々木寛幸 神山和則 須永義人 石田元彦 畠中哲哉 |
発行年度 | 2002 |
要約 | 極早生エンバクを11月初旬に出穂するように播種し、収穫時の乾物率を50%以上にすることで硝酸態窒素濃度を0.2%以下にできる。そのためのエンバク播種日を求めた。また、本技術をトウモロコシと組み合わせる場合には関東以西の平地に導入できる。 |
キーワード | 秋作エンバク、硝酸態窒素、硝酸塩中毒、トウモロコシ、メッシュ気候値、土壌肥料 |
背景・ねらい | 家畜ふん尿が多投された圃場では窒素肥沃度が高まり、飼料作物中の硝酸態窒素濃度が急性硝酸塩中毒の基準とされる乾物あたり0.2%以上となることも多い。自給飼料中の硝酸態窒素の蓄積は、牛の硝酸塩中毒の発症リスクを高めると同時に、自給飼料生産に対する意欲を損なっている。そこで、硝酸態窒素濃度を低減するためのエンバクの栽培技術について検討する。また、夏作物としてトウモロコシ栽培と組み合わせた場合の導入可能地域について推定する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 秋作エンバクは生育ステージの進行と冬季の低温により、乾物率が急激に上昇するとともに乾物あたりの硝酸態窒素濃度が大きく減少する(図1)。ただし、出穂が遅れると乾物率の急激な上昇が起こりにくい(図2)。 2. 多窒素施用条件では、新鮮物あたりの硝酸態窒素濃度は約0.1%程度となるので(図2)、乾物あたりの硝酸態窒素濃度を0.2%以下にするためには、収穫時の乾物率が50%以上になる栽培条件を設定すればよい。そのためには、エンバクを11月初旬までに出穂させるように播種日を設定することが必要である。 3. 1月上旬収穫、乾物率50%以上を目指す極早生エンバクの出穂に必要な有効積算気温が5℃基準800℃であることから、メッシュ気候値を用いて、東北以南において出穂日を11月1日とするための播種日を推定した結果、東北南部から中部地方の山岳地帯などでは8月12日以前、東北南部から中部地方の山沿い地域などでは8月13~22日、関東北部や北陸地方平野部などでは8月23日~9月2日、関東以西の平野部などでは9月3日以降であると推定された(図3)。 4. 夏作としてトウモロコシを組み合わせる条件で、本技術の導入地域を推定した。収穫日がメッシュ気候値により推定できるトウモロコシ早生品種を用いて、トウモロコシの播種日は日平均気温15℃以上、収穫日は黄熟期、トウモロコシを収穫してから2週間後にエンバクを播種するという条件で、本技術の導入地域を試算した結果、関東以西の平地で広く導入できると推定された(図4緑色の地域)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 硝酸態窒素濃度を低減するための作付け体系の1つとして利用できる。 2. 各地域で示されている施肥基準を上回るような施肥は避けるべきである。トウモロコシ関連の情報は、草地飼料作研究成果最新情報11号、発表論文を参考にされたい。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 肥料 栽培技術 栽培条件 飼料作物 施肥 とうもろこし 土壌管理技術 播種 品種 |