免疫調節機能を有するプロバイオティック乳酸菌G50株

タイトル 免疫調節機能を有するプロバイオティック乳酸菌G50株
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者 岡本隆史
水町功子
木元広実
発行年度 2003
要約 乳製品製造に適した乳酸菌ラクトコッカス ラクティスG50株は、アレルギーを引き起こす免疫グロブリンE抗体産生を抑制する。
キーワード プロバイオティクス、乳酸菌、アレルギー、畜産物・品質
背景・ねらい  近年、乳酸菌による生理的効用(プロバイオティック機能)について世界的に関心が高まってきている。これまでのプロバイオティクス研究は、乳酸菌のなかでもヒト腸由来の乳酸菌を用いた研究が主流であった。しかし、腸由来の乳酸菌は乳中での生育が悪く、乳製品製造の際にはタンパク質分解物などを添加する必要がある。そこで本研究では、乳製品製造に適した乳酸菌(ラクトコッカス属)のなかから、細胞性免疫を賦活化してアレルギー抑制に働く乳酸菌を新しく見出すことを目的とする。
成果の内容・特徴 1.
ラクトコッカス属乳酸菌(生菌、109)とBALB/cマウス由来マクロファージJ774.1株を共培養し、24時間後の培養上清中のサイトカイン量を測定した。供試した乳酸菌のなかで、Lactococcus lactis subsp. lactis G50株がマクロファージから細胞性免疫賦活に有用なインターロイキン12(IL-12)の産生を最も強く誘導する(図1)。
2.
G50をアレルゲンのひとつである卵白オボムコイドで免疫をしたBALB/cマウスへ投与し(19日間、生菌200・g/匹/日、一群6匹)、抗体応答に及ぼす影響について調べた。G50株投与群では非投与群に比べて、アレルギーを引き起こす免疫グロブリンE (IgE)抗体産生が低下する(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
免疫調節機能を有する乳酸菌G50株を用いた発酵食品等、新規プロバイオティック食品の開発が期待できる。
2.
ヒトを対象として保健効果を科学的に検証するためには、ヒト臨床試験等の実施が必要である。
図表1 226850-1.gif
図表2 226850-2.gif
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