タイトル | 低カリウム飼料資源を活用した乳牛からのカリウム排泄量の低減化 |
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担当機関 | (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所 |
研究期間 | 2002~2004 |
研究担当者 |
大谷文博 甘利雅拡 栗原光規 田鎖直澄 樋口浩二 野中最子 鈴木知之 |
発行年度 | 2003 |
要約 | カリウム含量の少ないコーンサイレージとビール粕を利用してカリウム含量を低下させた飼料を泌乳牛に給与することで、生産性を損なうことなくカリウム排泄量を低減することができる。 |
キーワード | カリウム、低減化、乳用牛、家畜ふん尿、畜産環境、家畜生理・栄養 |
背景・ねらい | 近年、我が国では乳牛-堆肥-土壌-飼料とつながる高カリウムの悪循環により、乳牛の疾病や生産性の低下などの問題が顕在化してきた。飼養管理の面からこの悪循環を断ち切るためには、これまで給与水準が考慮されなかったカリウムを、乳牛の生産性を損なわない範囲で必要最低限のレベルに減らしていく必要がある。そこで、低カリウム飼料資源を活用することにより積極的にカリウム含量を低下させた飼料を泌乳牛に給与することで、生産性を低下させることなくカリウム排泄量が低減できることを実証する。 |
成果の内容・特徴 | 1. カリウム含量の少ない飼料資源であるコーンサイレージを粗飼料に、また同様なビール粕を配合飼料に利用することにより、イタリアンライグラスサイレージとアルファルファヘイキューブを主体とした飼料(対照飼料)と粗濃比および一般成分の組成は同等でもカリウム含量を1.20%まで減らした飼料(低カリウム飼料)が調製できる(表1,2)。 2. これらの飼料をクロスオーバー法によって4頭の泌乳牛に給与したところ、乾物摂取量はむしろ低カリウム飼料の方が多く、このレベルの飼料中カリウム含量の低下で乳牛の食欲が抑制されることはない(表3)。 3. 低カリウム飼料給与時には乾物摂取量が多かったことから、対照飼料給与時よりも乳量は多く、一般乳成分率も高い傾向を示しており、このレベルの飼料中カリウム含量の低下が乳生産へ悪影響を及ぼすこともない(表3)。 4. 低カリウム飼料を給与してカリウム摂取レベルを低下させると、乾物摂取量が多かった影響で糞中へのカリウム排泄量は若干増加するものの、尿中へのカリウム排泄量が大きく減少するため、糞尿中への総カリウム排泄量を確実に低下させることができる。また、乳量が多い場合には、乳中へのカリウム移行量も増加する(図1)。 |
図表1 | |
カテゴリ | アルファルファ イタリアンライグラス 飼育技術 低カリウム 乳牛 |