搾乳牛の排泄糞の形状と水分含量の関係

タイトル 搾乳牛の排泄糞の形状と水分含量の関係
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2001~2003
研究担当者 青木康浩
加茂幹男
河本英憲
張建国
山田明央
小林良次
発行年度 2003
要約 搾乳牛の排泄糞は、厚くなるほど水分がつねに直線的に減少するとは限らず、飼料中のNDFまたはCP含量によっては、厚さに関係なく水分がほとんど変わらないことや、一定の直線関係から外れる糞がみられることもある。
キーワード 糞、形状、理化学的性状、乳用牛、飼育管理
背景・ねらい  近年、乳牛の多頭飼育や放し飼い方式が拡大する中で、群全体として健康状態を的確にモニタリングする手法の確立が必要となっている。糞の水分は消化機能と関連するので健康状態の指標となりうるが、群飼養の中で逐一調べることは困難である。一方、排泄糞の形状は比較的容易に調べられるので、糞の形状から水分が推測できればモニタリング手法を確立する上で有用であるが、両者の関係に関する知見は少ない。そこで、フリーストールで飼養されている乳牛の糞の形状と水分との関係を、飼料条件と関連づけて調べる。
成果の内容・特徴 1.
糞の形状を示す諸特性値のうち水分との関係がもっとも密接なのは、厚さまたは厚さ/重量比である。
2.
一牛群内の糞の厚さと水分の関係には、時期によって(1)糞が厚くなるほど水分含量は直線的に減少する(○)、(2)糞の厚さに関係なく水分含量が一定である(■)、および(3)ある厚さまで直線的に減少する(△)が著しく厚い糞(▲)もみられる、という3パターンがみられる(図1)。
3.
(1)、(2)および(3)が観察された時期には、給与TMRの主体粗飼料がトウモロコシサイレージと乾草、トウモロコシサイレージ、および牧草サイレージと異なり、それにより飼料の成分、特にCP含量とNDF含量が異なる。
4.
別の時期に(1)および(2)と同程度のCP・NDF含量の飼料を給与すると、糞の厚さと水分の間にそれぞれ上記と同様の関係が認められる。(3)と同様の飼料を給与されている別の牛群では、糞の厚さと水分との関係は明瞭でないが、厚さ/重量比を独立変数にすると個体差が捨象され水分との間に(3)と同様の傾向がみられる(図2)。
5.
以上のように、糞の形状と水分含量との関係は一様ではなく、飼料の内容、とくにCPとNDF含量によって異なる。すなわち高NDF条件でCP含量15%程度だと糞の厚さと水分の間に直線関係があるが、CPがより少ないと両者の関係は明瞭でない。一方NDF含量が少なくCPが多い条件では、一定の直線関係からかけ離れた値がみられる。
成果の活用面・留意点 1.
糞の形状からその水分含量を推測する手法を確立する上で有用な知見となる。
2.
飼料の物理性、気象環境、飲水量など、他の要因の影響を検討する必要がある。
カテゴリ トウモロコシサイレージ 乳牛 モニタリング

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