牛用の内・外蹄荷重計測装置

タイトル 牛用の内・外蹄荷重計測装置
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 中村正斗
矢用健一
森岡理紀
伊藤秀一 
発行年度 2003
要約 牛の蹄病の発生原因の1つと考えられる内・外蹄荷重配分の不均衡を把握するため、内蹄と外蹄の荷重を別々に同時計測できる荷重計測装置を開発した。本装置と枠場を用いることにより、起立時の牛の前肢あるいは後肢の内・外蹄荷重を正確に計測できる。
キーワード 飼育管理、ウシ、蹄荷重、蹄病
背景・ねらい
牛の蹄病による経済的損失は極めて大きい。蹄病には多くの種類があり、その原因も様々であるが、蹄球糜爛や蹄底潰瘍では、蹄の過剰成長に伴う内・外蹄の荷重不均衡もその原因の1つと考えられている。しかし、これまで内・外蹄荷重の正確な測定方法がなかった。そこで、起立時の牛の一肢の内蹄と外蹄の荷重を別々に計測できる装置を開発する。
成果の内容・特徴 1.
内・外蹄荷重計測装置(以下、装置と略す。)は2台の計量架台から構成され、1台の計量架台は防水型のロードセル(共和電業、LUB-100KB)3個を内蔵し(図1)、センサインターフェイス(共和電業、PCD-300A)を介して、パソコンに計測データが取り込める。
2.
装置は別途作製した削蹄用枠場の後方あるいは枠場内に設置することにより、起立時の牛の後肢あるいは前肢の内蹄と外蹄の荷重を計測できる。枠場床面は計量架台上面と同じ高さであり、後肢内・外蹄荷重の測定時には同じ高さの他肢が乗る台を枠場後方の装置横に設置し(図2)、前肢内・外蹄荷重の測定時には枠場床の前部を取り外し、そこに装置を設置して使用する(図3)。
3.
測定手順は、蹄が計量架台の中央に位置するように牛を起立させる。次に、パソコンのディスプレイで波形をモニタしながら、安定したところでパソコンに数秒間データを取り込む。パソコンに取り込んだ計測データの再生画面の例を図4に示す。計測データはcsv形式ファイルに変換処理できる。
4.
本装置を用いて分娩前後のフリーストール牛舎飼養乳牛39頭を計測したところ、後肢外蹄荷重に対する内蹄荷重の割合が、分娩前2ヵ月の削蹄後における平均90%から分娩後2ヵ月で平均65%まで有意に低下していたことから、この期間に後肢内・外蹄荷重配分の不均衡が起きていると判断された。
5.
1台の計量架台の計測範囲は0~300kgで、測定精度は0.1kg以下である。
成果の活用面・留意点 1.
本装置を用いて、牛の内・外蹄荷重の正確な測定ができるため、削蹄技術の正確化が図れ、内・外蹄荷重配分の不均衡改善に役立つ。
2.
牛の蹄病の発生原因解明のための基礎データ取得に役立つ。
3.
計測時には牛の肢勢による影響が出るので、自然な肢勢で起立させる。
図表1 226913-1.gif
図表2 226913-2.gif
図表3 226913-3.gif
図表4 226913-4.gif
カテゴリ 削蹄 乳牛

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