胚盤胞を構成する内部細胞塊および栄養外胚葉細胞の簡便な染め分け法

タイトル 胚盤胞を構成する内部細胞塊および栄養外胚葉細胞の簡便な染め分け法
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2002~2005
研究担当者 阪谷美樹
小林修司
高橋昌志
発行年度 2003
要約 界面活性剤利用による核染色とエタノール固定を用いることで、胚盤胞を構成する内部細胞塊および栄養外胚葉細胞を簡便に染め分けでき、細胞数を測定することができる。
キーワード 家畜繁殖、胚盤胞、内部細胞塊、栄養外胚葉細胞、二重染色
背景・ねらい
 暑熱等の各種ストレスは初期胚の質およびその後の成長性に影響を及ぼすことが指摘されている。初期胚の成長性を評価するために胚盤胞期の細胞総数、特に胚盤胞における内部細胞塊(Inner Cell Mass;ICM)と栄養外胚葉(Trophectoderm;TE)の構成細胞数および構成比を検討することは重要である。胚発育性の評価は、一般的に胚盤胞の肉眼的形態に依っていることが多く、詳細な評価を行う場合、従来、補体を用いた免疫二重染色法が用いられてきた。しかしながら、この方法は染色操作の煩雑さからその導入には改善の余地が残されている。そこで、本成果では簡便にICMおよびTEを染め分けすることを目的とする。
成果の内容・特徴 1.
胚盤胞を界面活性剤を利用した染色およびエタノール固定により簡便に染色する方法は次の通りである。①胚盤胞をプロピウム イオダイド(PI)溶液(0.1 mg/ml 0.2% Triton X-100 in PBS)にて15~30秒間1次染色。②ヘキスト33342溶液(25 μg/ml 99.5 % エタノール)にて4℃遮光下で2~3時間固定、2次染色。③グリセリン洗浄後、蛍光顕微鏡にてICM(青)、TE(ピンク)核数を測定(励起波長はPIで 540 nm、ヘキスト33342で 352 nm)。
2.
免疫染色法を用いる従来法と比較し、作業工程数が非常に少ない(図1)。
3.
2次染色は2~3時間以上であれば、長時間染色しても結果は変わらず、従来法と比較し、本法は全く変わりなくICMおよびTEの染め分けを行うことができる(図2)。
成果の活用面・留意点 1.
界面活性剤を用いるので透明帯を除去する必要がない。
2.
細胞の固定にエタノールを用いることで、ホルマリン等の有害な溶剤を使用しなくて済む。
3.
一般の核染色法と異なり、細胞構成比を求めることで胚の質をより的確に評価する事が可能である。
4.
染色状態によってはPI染色画像、ヘキスト33342画像を別々に取込み、後ほど合成しないと両者の構成比を数えることが困難な場合がある。
図表1 226933-1.gif
図表2 226933-2.gif
カテゴリ 繁殖性改善

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