フリーストール飼養乳牛における乾乳期削蹄の持続効果

タイトル フリーストール飼養乳牛における乾乳期削蹄の持続効果
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2002~2004
研究担当者 伊藤秀一
森岡理紀
中村正斗
矢用健一
発行年度 2004
要約 分娩前2ヵ月に削蹄した前・後肢蹄は、分娩後2ヵ月には内・外蹄蹄尖部の伸び方に差異が生じて削蹄効果が消失する。また、フリーストール牛舎導入後から後肢蹄球糜爛が悪化し、分娩後2ヵ月には内・外蹄荷重の不均衡が著しくなる。
キーワード 飼育管理、乳用牛、削蹄、蹄荷重、蹄病
背景・ねらい フリーストール牛舎飼養では、従来の繋ぎ飼養より蹄病の発生が多く、蹄底潰瘍など後肢外蹄の蹄底角質に発生する疾病が多い。牛の削蹄の目的は正常な蹄形状を保ち、蹄に加わる体重配分を改善し、蹄の負重機能を維持することにある。そこで、分娩前2ヵ月のフリーストール牛舎飼養乳牛を削蹄し、分娩前後の内・外蹄形状、内・外蹄荷重、蹄角質硬度および蹄球糜爛の程度の経時的変化を調査する(図1)ことにより、削蹄の持続効果および蹄病発症要因を明らかにする。
成果の内容・特徴 1.
削蹄直後と比べ、前・後肢ともに内蹄背壁長の増加が外蹄背壁長の増加に比べて大きい。その結果、削蹄後2~4ヵ月には前・後肢内蹄蹄尖角度は有意に低下する(図2)。一方、前・後肢ともに内・外蹄反軸側壁長の増加に顕著な違いはない。
2.
削蹄後2ヵ月経過すると、後肢外蹄蹄踵高が有意に増加する。
3.
削蹄後3~4ヵ月で外蹄に対する内蹄負面面積割合は後肢では有意に減少する。
4.
削蹄後4ヵ月で、後肢では外蹄の荷重が内蹄を上回り、前肢では逆に内蹄荷重が外蹄を大きく上回り、内・外蹄荷重の不均衡が生じる。このとき、再度削蹄すると内・外蹄荷重のバランスは分娩前2ヵ月の削蹄直後に近い値に戻る(図3)。
5.
前肢に比べて後肢の蹄角質硬度は低く、蹄球糜爛スコアは高い。しかし、前・後肢蹄角質硬度はともに分娩後有意に低下する。後肢の蹄球糜爛スコアは分娩後1~2ヵ月で有意に増加し、前肢では分娩後2ヵ月で有意に増加する(図4)。
成果の活用面・留意点 1.
削蹄は乾乳前期までに行い、分娩後2~3ヵ月で再び行うことが望ましい。
2.
乾乳期間中はコンクリート床の屋外パドック、分娩後1週からはコンクリート床のフリーストール牛舎飼養で得られた結果である。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
課題名:フリーストール飼養乳牛における乾乳期削蹄の持続効果(指導参考)
図表1 227027-1.gif
図表2 227027-2.gif
図表3 227027-3.gif
図表4 227027-4.gif
カテゴリ 削蹄 乳牛

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