泡を利用する乳頭ディッピング施用具

タイトル 泡を利用する乳頭ディッピング施用具
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 長谷川三喜
石田三佳
本田善文
市来秀之
発行年度 2005
要約  開発した市販手動泡ポンプ容器装着型のディッピング施用具によって、常に新しい薬剤を乳頭毎に泡形成しながら施用する作業方法が可能となる。従来の噴霧やディッピングの施用具を用いるより乳頭間の施用ムラが少なく、薬剤を節約できる。
キーワード 乳用牛、家畜管理、搾乳作業、乳頭消毒、ディッピング、泡
背景・ねらい  乳頭の殺菌と養生のために薬液を乳頭に施用する作業は、乳房炎防除対策として搾乳機離脱直後に行うことが推奨され、ほとんどの酪農家が実施している重要な搾乳作業の一つとなっている。この作業には大別して噴霧器(スプレー)方式とディッピング(ディップカップ)方式がある。前者は常に新しい薬剤を吹き付ける長所があるものの必要な場所に薬剤が確実に噴霧されないことが多い。一方、後者は乳頭浸漬の効果が得やすいが使用量が多くなる。そこで、薬剤を泡化して施用することで、上記の両者の長所を持ちあわせ、かつ薬剤の使用量を節約できる乳頭ディッピング作業方法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
試作した施用具は、市販の手動泡ポンプ容器に装着し、トリガレバーを引くことでポンプヘッドが押下され、カップの内側周囲より泡を吐出する(図)。トリガレバーを離すとバネの作用でポンプヘッドが上昇し、繰返し泡吐出が可能である。 また、市販されている乳頭消毒用薬剤の多くは界面活性剤を含有しているので、この施用具で容易に泡形成ができる。
2.
この施用具を片手で持ち、泡形成しながらディッピング作業をすることで、常に新し薬剤を乳頭毎に施用できる(写真1)。施用後の乳頭の泡付着は良好である(写真2)。作業性はスプレーと変わらず、ディップカップの場合のように薬剤が溢れて手に付くことはない。
3.
本方式による薬剤使用量は、スプレー方式、従来のディッピング方式のいずれよりも少ない。また、乳頭表面好気細菌に対する殺菌効果は、スプレー方式より大きく従来のディッピング方式と同程度かやや高い数値となり、薬液使用量に比して効果的な殺菌性能を示す(表)。
4.
以上のことから、本施用具を使用することによって、少ない薬剤使用量で従来法と同等以上の殺菌効果が得られ、環境にも易しい泡を利用した乳頭消毒作業法が可能となる。
成果の活用面・留意点 1.
本施用具は搾乳前処理作業にも活用できる。また、乳牛ばかりでなく他畜種の乳頭消毒作業にも活用できる。
2.
泡を形成しにくい薬剤も一部あるので、確認して使用する必要がある。
図表1 227079-1.gif
図表2 227079-2.jpg
図表3 227079-3.jpg
図表4 227079-4.gif
カテゴリ 病害虫 乳牛 防除 薬剤

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