デュアルフューエル式コージェネレーションシステムでバイオディーゼル油を燃料とする場合の燃焼特性

タイトル デュアルフューエル式コージェネレーションシステムでバイオディーゼル油を燃料とする場合の燃焼特性
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2004~2005
研究担当者 本田善文
朴 宗洙
阿部佳之
福重直輝
伊藤信雄
発行年度 2005
要約  ディーゼルエンジン型のコージェネレーションシステムでバイオディーゼル油をバイオガスの着火用燃料とする場合、排気ガス再循環装置を付加すれば低負荷時の燃料消費率および排ガス中のNOx濃度を低減できる。
キーワード 畜産環境、家畜ふん尿、バイオガス、バイオディーゼル、カーボンニュートラル
背景・ねらい  近年、バイオガスプラントや熱分解プラントで発生するバイオガスを燃料として発電するデュアルフューエル方式のコージェネレーションシステム(CGS)が普及しつつある。そこで、CGSのカーボンニュートラル化を目指して、軽油(DF)をバイオディーゼル油(BDF)に代替する場合の燃焼特性を解明し、着火燃料の燃料消費率および排気ガス中のNOx低減の方策を提示する。
成果の内容・特徴 1.
CGSをデュアルフューエル(バイオガスと着火燃料)で運転する場合、BDFとDFを比較した燃料消費率は全負荷領域でほぼ同じとなる。これは、バイオガスを供給することで着火燃料の必要量が70%程度まで減少し、主燃焼期間の燃焼が熱量の多いバイオガスに起因して、着火遅れの影響が抑制されるためである。ただし、NOx濃度はBDFの方がDFよりも高くなるので何らかの対応策が必要である。
2.
CGSに吸気過熱装置を付加して、吸気を80℃に昇温するとデュアルフューエル時の着火開始が最大で0.087rad(5°)早くなり、燃焼圧力と温度が上昇し、バイオガスの燃焼速度も速くなる。着火遅れの短縮によって低負荷時に燃料消費率の改善が認められるが、高温によりNOx濃度は増大する(図1)。
3.
CGSに排気ガス再循環(EGR)装置を付加して排気ガスの10∼20%を吸気中に環流すると、バイオガスを混合しない場合は燃料消費率が若干上昇するが、バイオガスの混合比が高く負荷が低い場合、吸気温度の上昇と未燃バイオガスの再燃焼によって着火遅れが短縮され、BDFの燃料消費率が低減される。また、吸気に含まれる不活性ガス(窒素や二酸化炭素)の比率が高まり、主燃焼期間の温度が低下するのでNOx濃度が低減され、低負荷時に顕著な効果が得られる(図2)。ただし、定格負荷時にEGR20%にすると空燃比が減少し運転不能となるので、EGRを10%以下に設定する必要がある。
成果の活用面・留意点 1.
デュアルフューエル方式のCGSでバイオディーゼル油を燃料とし、発電負荷の変動が大きいシステムの場合で、低負荷運転時に着火燃料の燃料消費率を低減し、定格運転時に排気ガス中のNOxを低減するための基礎資料となる。
2.
燃料消費率およびNOxの値は機関の仕様によって異なる。また、実用化に際しては、BDFは二トリルブチルゴム製のホース等を腐食する場合があるので、EU規格等に適合した腐食成分の含有率が低いBDFを使用するのが好ましい。
図表1 227083-1.gif
図表2 227083-2.gif
図表3 227083-3.gif
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