シバ草地は放牧圧が高まり現存量が低下すると相対生長率が上昇し生産力を高める

タイトル シバ草地は放牧圧が高まり現存量が低下すると相対生長率が上昇し生産力を高める
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2002~2005
研究担当者 板野志郎
堤道生
坂上清一
中神弘詞
発行年度 2005
要約  シバ草地で放牧圧を上昇させると地上部現存量が低く維持されるが、相対生長率は急激に上昇する。この相対生長率の上昇が、放牧圧の上昇に伴うシバ草地の年間地上部生産量の増加に影響する。
キーワード シバ草地、放牧、ウシ、放牧圧、地上部生産力、相対生長率、季節
背景・ねらい  シバ草地は強い放牧に対しても維持できると言われているが、その基礎となる放牧に対する草地の生産力の反応過程は明確にされていない。本研究では、異なる放牧圧条件下でのシバ草地の現存量と地上部生産を測定し、放牧圧と年間地上部生産の関係およびその関係に関与する地上部現存量と季節因子の影響を解明する。
成果の内容・特徴 1.
放牧圧の上昇とともに草地全体の年間地上部生産は上昇するが、700 kg BW/ha/日以上では停滞する傾向がある(図1)。ただし、放牧圧が400-700kg BW/haの時、シバ草種の年間地上部生産は増加する(100 kg BW/ha/日の放牧圧の上昇に対し30 g/m2/年の増)が、シバ以外の植物種の年間地上部生産は減少する(100 kg BW/ha/日の放牧圧の上昇に対し20 g/m2/年の減)。
2.
相対生長率(植物の単位重量当たりの日生長速度)は、地上部現存量の減少に対して急激に上昇する(図2)。放牧圧が高まると現存量が低くなるため、放牧圧上昇に伴うシバ草地の地上部生産の増加には、強放牧時の現存量の低下による相対生長率の増加が関与している。
3.
シバ草地の4月から10月の相対生長率は、地上部現存量とともに季節による影響を受けるが、季節の影響は現存量の影響より小さい。地上部現存量と季節を説明変数とすることにより、寄与率0.54の精度で相対生長率を推定できる(表1)。
成果の活用面・留意点 1.
シバ草地における放牧技術開発のための有用な情報となる。
2.
地上部現存量の低下により相対生長率が急激に上昇したのは、放牧圧の増加に対するシバ草種の匍匐茎の伸長や芽密度の増加等の可塑性が考えられる。
3.
関東地区におけるシバ草地で、繁殖牛を5月中旬から9月末まで放牧した試験から得られたデータであることに留意する。
図表1 227112-1.gif
図表2 227112-2.gif
図表3 227112-3.gif
カテゴリ 繁殖性改善 放牧技術

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