乾燥納豆給与による卵黄中のコレステロール低減

タイトル 乾燥納豆給与による卵黄中のコレステロール低減
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
研究期間 2004~2006
研究担当者 阿部啓之
山崎 信
中島一喜
宮口右二(茨城大)
豊田 淳(茨城大)
永山理恵(茨城大)
中村 豊(茨城大)
藤原謙一郎(茨城畜セ)
加藤由紀乃(茨城畜セ)
大林康信(茨城畜セ)
御幡寿(茨城畜セ)
生井和夫(茨城畜セ)
礒 政男(茨城畜セ) 
発行年度 2006
要約 乾燥納豆粉末を産卵鶏の飼料に1~3%加えると、鶏卵の生産性を低下させることなく、鶏卵の卵黄中のコレステロールが低下する。
キーワード 鶏卵、コレステロール低減、納豆、家畜生理・栄養
背景・ねらい 茨城県の特産品である納豆の生産・流通過程で生じる残りは、廃棄物として処理されることが多く、現在のところあまり有効に利用されていない。納豆は鶏に利用可能なエネルギーや蛋白質を多く含み、飼料原料となりうる未利用資源であると考えられる。また、近年の食品分野の機能性研究の進展から、様々な食品の機能性が解明され、納豆も機能性を持つ食品の1つとされている。納豆は鶏においても有用な機能性飼料素材となる可能性があるが、これまで、鶏における研究は少なく、鶏自体の健康との関連、鶏肉・鶏卵などの生産物への移行・影響などを検討した報告はほとんど見あたらない。
本研究では、納豆の養鶏用飼料としての利用性を検討するとともに、鶏における納豆給与の効果の検討をすすめ、とくに鶏卵の卵黄中コレステロールの低減効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 166日齢の各区20羽のロードアイランドレッド(RIR)種の産卵鶏の飼料に60度で通風乾燥・粉砕し調製した粉末乾燥納豆を13週間にわたって、1~3%加えて飼養した結果、表1に示すように、産卵率、平均卵重、飼料摂取量、飼料要求率などの産卵成績に影響を及ぼさない。
  2. 試験終了時の、血液中のチオバルビツール過酸化物価(TBARS)、スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)などの抗酸化の指標やトリグリセライド、総コレステロールなどの脂質代謝系には影響は見られない。
  3. 卵質検査では、ハウユニット、卵黄色、卵黄重などには納豆の影響は見られないが、卵黄中のコレステロールは納豆を与えた区で次第に減少していき、13週目には納豆を与える水準にしたがって卵黄中コレステロールが低くなり、3%区では20%以上の低下がみられる(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 納豆の残りが出る地域に隣接する低コレステロールたまごを生産する予定の養鶏業者において本情報は活用される。
  2. 納豆の乾燥・粉砕の方法の効率化など、実用化にあたって検討すべき点が若干残されている。
図表1 227121-1.jpg
図表2 227121-2.gif
図表3 227121-3.gif
カテゴリ 乾燥 機能性 未利用資源

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